ぶっくぶくの部屋

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ほぼひと月ぶりのアップ。
「もうやめたんかい!」と何人かに言われたが、
やめてはいないけど、オレの部屋暑くて、PCに向かう
気があまりしなくって…。
で、今回は7月ひと月分をまとめてアップ!

File No.314
『影法師』百田尚樹(講談社文庫 648円)
オススメ度★★★★★

今夏のオススメ度ナンバーワン!
久々に面白い時代小説を読んだ。
藩の下級武士から筆頭家老まで上りつめた戸田勘一と、
竹馬の友磯貝彦四郎の物語。
勘一が幾度かの危機を脱し、出世階段を上って行った影には…?
この本の巻末には袋とじがある。
そこを読むと、感動はさらに深まっていく。
彦四郎の生き様は、前作『永遠の0』に連なるものがある。
家族や友や人のため、自らの身命を賭していく真の男の
生き様がそこにはある。
ところで、
田んぼの1反って人一人が1年に食べる米を収穫する広さだって
知ってた?今の1反は300坪だけど、昔は360坪だったんだって。
なんとなれば、1坪は人一人が一日食べる米を収穫する広さなんだなあ。
へえ〜、勉強になったわ。

File No.315
『海賊とよばれた男』上下 百田尚樹(講談社 各1600円)
オススメ度★★★★☆

余勢をかって百田尚樹ワンモア!
これは出たばっかの単行本で、しかも上下二分冊でチト高い。
しかし、『影法師』の面白さの余勢で買って、すぐ読み出した。
これもまた面白い物語だ。
しかも、史実をベースにしたノンフィクションノベルだから
迫力がある。
一代で国岡商店こと出光興産を築き上げた、国岡鐡造こと出光佐三
の熱きロマン溢れる物語である。
国の理不尽な規制、同業者の妨害・いやがらせ、「七人の魔女(セブン
シスターズ)」と呼ばれた石油メジャーとの闘い、などなど、
戦前戦後の混乱期に次々と襲いかかる難題難局に、正攻法で正面突破
する鐡造の姿に感動が湧きおこる。
物語に出てくる日田重太郎という男もスゴイ。
何のリターンも求めずに、鐡造という男に惚れ込んで、自らの全財産を
投げ打って支え続けるのである。
大事を成す男には、必ず強力で頼もしい味方が何人もいる、という
ことかも知れない。まあ、そういう援軍を惹きつける人間的魅力が
あるかどうかが将器の如何だとも言えるだろう。

File No.316
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』
増田俊也(新潮社 2600円)
オススメ度★★★★☆

だいぶ以前から、買うか買うまいか、いつも本屋で迷ってたのが、
この本。迷ってたワケはその値段の高さ。
「面白い」という話を聞いたら、図書館にでもリクエストしようかな、
とも考えてたんだが…。
そしたら、この本が「大宅壮一ノンフィクション賞」を受賞した。
そんでもって、さっそく本屋に行って躊躇なく買ったオレ。
相変わらず主体性のない話でして…。

で、この本、700頁ぐらいあって、しかも二段組みという長編。
しかし、読み出したらオモロイ、オモロイ、と一気通巻で読んじゃった。
この本の主人公である木村政彦という男は、日本柔道界で空前絶後の
強さを誇った伝説の柔道家。
それが後年、プロレスの道に入り、人気絶頂だった力道山と闘い、
ある理由で敗れてしまう。
年配の方なら、木村政彦vs力道山の試合を覚えているかも知れない。
昭和20年代なのでオレは全く知らないが…。
巻けるハズのない試合に負けた真の理由は?、これほどの柔道家が
講道館正史にあまり出てこない(≒抹殺されている)そのワケは?
そうしたテーマを、木村政彦の人生を丹念に追いながら解き明かしていく
ストーリーのノンフィクション。
秀逸な作品だ。




2012.07.29:ycci:count(1,604):[メモ/コンテンツ]
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