ぶっくぶくの部屋

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実は歴史小説好きでして…。
でも、ツボにハマっちゃうと夜も昼もその世界が頭から
離れなくなってしまうんで、ちょっとためらってました。
先日、火坂雅志が「沢彦」のことを書いていたくだり
を読んでいたら、急に読みたくなって手に取ったら、やっぱ、
ここ2、3日、頭の中は一時的にマイブームの嵐。

File No.26
『沢彦』上・下 火坂雅志(各690円)小学館文庫 
オススメ度 ★★☆☆☆

沢彦宗恩(たくげん・そうおん)ってだれ?と思われる人が
ほとんどでしょうが、かく言う私もその一人。
それもそのはず、ごく一部の史料にしかその足跡は残って
おらず、大部分がナゾに包まれた人物なのです。
残っている足跡とは、
・織田信長の少年期における学問の師をつとめた禅僧
・稲葉山城のあった美濃を「岐阜」と命名
・信長に「天下布武」のスローガンを授けた
など、ごくわずかですが、筆者は、それらをヒントにして、
沢彦を信長の影のプロデューサーであったと見立てて
ストーリーを展開しています。
戦国時代、それも最も光彩を放った信長を柱に展開します
から、面白くないはずがありません。
それにしても信長って猜疑心の強い男だったんですねえ。
その猜疑心からくる非情な仕打ちに対する恐怖だけが、
部下の忠誠をつなげていたんではないでしょうか。
作中にも出てきますが、信長は、天の時、地の利は得たが、
人の和は得られなかった、と。
「天地人」の愛と義、とは対極の世界を見るような感じです。
さらに興味深いことは、作者がこの真逆の世界をほぼ同時期に
書いていたということ。火坂雅志は複眼的な洞察と奥深い精神
を宿していますねえ。これからますます目が離せなくなりそう
です。
さて、物語の結末はやはり本能寺。「う〜む」とうなるような
エンディングが待っていますよ。
さらに蛇足ながら。
火坂雅志の小説って、どこかに司馬遼太郎のニオイがかすかに
しますねえ。でも明らかに違うのは、司馬がほとんど書かな
かった男と女の「濡れ場」を火坂は書いていること。
同作でも2人の女との逢瀬を描いていますが、そのうちの一人
は「えっ〜、まさか?」と思いますよ、ホント。



2009.03.22:ycci:count(1,921):[メモ/コンテンツ]
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司馬遼太郎の濡れ場
時々お邪魔して、楽しく読ませていただいています。
司馬さん、濡れ場も書いていますよ。
『燃えよ剣』なんて結構リアルな濡れ場があちこちにあって、
20歳になるかならないかの頃の私は、かなりドキドキした覚えがあります。
エロいのではなく、なんか隠微で艶かしい感じ(どう違うかと言われてもアレですが、えげつなくないってことで……)に、
余計ドキドキ感を煽られたように思います。



2009.04.20:PON!Q〜:URL修正削除
こりゃあ失礼しました
『燃えよ剣』って土方歳三ですよね。
私も読みましたよ。土方歳三は男らしくてカッコいいですよねえ。函館五稜郭にある土方の銅像を見ると、疾風怒涛のような
この男の生涯に感慨を深くしました。でも、隠微で艶かしいシー
ンがあったとは私も失念してました。もう1回読み直してみます。
2009.04.21:ぶっくぶく:修正削除
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