ぶっくぶくの部屋

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いやあ〜、長らくご無沙汰してしまった。
なんやかんやとあって…(言い訳しきり)。
「ぶっくぶくやめたのか?」との叱咤に少しばかり
奮起して、ひさびさのアップ。
本を読んでなかったわけではないのでネタはあるのだが、
いかんせん少し間が空いてしまったので忘れてしまった
こともあって…。

File No.299
『はやぶさ 遥かなる帰還』花井良智(集英社文庫 476円)
オススメ度★★★☆☆

いま公開中の同名映画のノベライズである。
少し前に日本中が沸いた小惑星探査機「はやぶさ」が、如何に
開発され、運用され、そして数々のトラブル・危機を乗り越えて
無事帰還したかを、あまり贅肉をつけないで追っていった
物語である。
「はやぶさ」の偉業の何たるかがよくわかる。
何と言ってもクライマックスは、帰還のための推進力である
四基のイオンエンジンに故障や不具合が発生した時。
かろうじてエンジンCが6割の出力を保っているだけ、という
絶体絶命の事態。
もうすでにご承知の方もいると思うが、ここでエンジニアたちは、
エンジンAとエンジンBをクロス運転させるというウルトラCを
演じたのだ。
「四基のイオンエンジンは、それぞれ、イオン源のスラスターと
中和器のペアで作動します。現在作動可能なスラスターと中和器を、
本来の組み合わせを度外視して組み合わせる……たとえば、
エンジンAの中和器と、エンジンBのスラスターを組み合わせる
という、クロス運転を試したい…」
「はやぶさ」はこんなウルトラCで危機を脱し、帰還できたのである。
この世の中は人知の及ばないことだらけだけど、決して最後まで
諦めない執念と、予期せぬ「応用問題」に対処するしなやかな知力が
一歩進める力となるんだ、ということを我々に教えてくれる。

長い間の通信途絶、7年間に及ぶ宇宙の旅の軌跡と大気圏での消滅、
そして最後に送ってきた地球の写真…、「はやぶさ」には人間の
魂が乗り移っているかのようだ。
なんだか無性に映画も観たくなった。

2012.02.15:ycci:count(717):[メモ/コンテンツ]
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