ぶっくぶくの部屋
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いよいよ本格的!?
今日からしばらく北日本・北陸が低気圧で荒れるらしい。
いよいよ本格的な冬将軍第一波か、と思うと、
思わずなぜか身構えてしまう。
もう何年も繰り返してきたことなのだが、この時期は
特別に身が引き締まる感じがする。
気合い入れないと、冬乗り越えられないゾとみずからに
言い聞かせているのだろうか?
その割に、身体は引き締まってないじゃんってがあ。
自分で自分にツッコミ入れてどうすんのよ。
File No.288
『父 山本五十六』山本義正(朝日文庫 740円)
オススメ度★★★★☆
確か明日が映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六」の封切だよなあ。
戦記ものに関心の高いオレとしては、この年末年始にぜひ観たい
映画だ。
というより、絶対見逃したくない。
この本を手に取ったのは、この映画と関係しているわけではなく…。
たまたま本屋で見つけ、反射的に即購入となったもの。
そのワケは、
だいぶ以前のことになるが、阿川弘之の『山本五十六』を読んで
いたく感動した経験があって。
また、山本五十六の故郷長岡にある記念館に行って、展示品の
数々に時を忘れて見入ったこともあって…。
さらに印象的だったのは、山本の生家が敷地の端にひっそりと
残っていて、管理人らしき人もいなく、玄関も空いていたので、
中にお邪魔して、少年時代に勉強したと言う小部屋に佇んでみた。
まるで、坊主頭の山本少年が座っているような不思議な感覚に
とらわれてしまった。
その後に食べたウナギの旨かったことも忘れられない。
もう、その店もなくなってしまったけど。
そんな思い入れを持ちながらこの本を読み進めていくと、
山本五十六という人間像がどんどんリアルなイメージになっていく。
この本は、山本五十六の長男である義正氏が、父の回想録の
ような形で書き綴ったもの。
だから、戦争(戦闘)に関することよりも、家庭の父としての
姿や言動が中心になっている。
部下の戦死に悶えるほど嘆き悲しむ山本の姿には胸を打たれる。
最後まで戦争回避を主張していた人間が、海戦の最前線の指揮官
として戦わざるを得なかった運命。
その運命を甘受し、国も自分の身体も小粒ながら満身の力で
ぶつかっていき、散っていった潔さ。
中味をいくつか。
この本を読んで驚くべき事実を知った。
山本五十六の妻・礼子は旧会津藩士の娘。
その母(つまり著者の母方の祖母)は、なんと米沢藩士の娘で、
あの山下源太郎海軍大将と従兄妹なんだそうだ。
長岡・会津・米沢という奥羽越列藩同盟で賊軍の汚名を着せられ
悲哀を味わった旧藩同士を結ぶ縁でもあったのだ。
なんと!
知ってる人は知ってるんだろうが、オレははじめて知った。
もうひとつ。
山本五十六は子供たちをあまり叱らなかったらしい
(ほとんど家にいなかったので子供の教育は妻に任せ、細かい
ことは言わなかったらしい)が、数少ない叱責の中で憶えて
いるのは、
「めしがうまいのまずいのと言うんじゃない。たくさん食べればいい。」
「衣食住のことで文句を言うんじゃない。とるに足らないことだ。
男子は大目的を貫徹することが一番で、それ以外は枝葉末節だ。」
という類のこと。
もっともである。
今に生きているオレも全く同感。
でも、長岡のウナギが旨かったなんてことばかり未だに憶えている
ようじゃ、オレもまだまだ卑しさが抜けてないなあ〜。
2011.12.22:
ycci
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