ぶっくぶくの部屋
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音楽がない!?
先日、あるステージでブラジル人が演奏する「マシュケナダ」
を聴いた。すんげえ懐かしい〜。
そこで連想したのがカルロス・サンタナ。
ご存じ、ラテンロックのギタリストで、その哀愁漂うサウンドは
心に沁みてくるようだ。
「ムーン・フラワー」や「ブラック・マジック・ウーマン」、
そして代表曲とも言える「哀愁のヨーロッパ」は、聴いていると
何だかヨーロッパの中世の街角・裏小路に迷い込んだような気分に
なっちゃうなあ〜。
もちろん、行ったことないから、空想でその気になるだけのことだけど。
懐かしくなってサンタナのCDを探し出した。
すると、再生する機器がないことにハタと気が付いた。
そうだ、この間テレビ買った時、整理しちゃったんだっけ。
ラジカセみたいのはあるけど、それじゃあ気分出ないしねぇ。
かと言って、車庫の中で車のエンジンかけてカーステで聴くわけにも
いかん。
どっちかと言うと、音楽にも無頓着な方だが、全く音楽がない生活と
言うのも無味乾燥だなあ。
とりあえず、出勤の車の中ででも聴くとするか…。
File No.285
『限界集落株式会社』黒野伸一(小学館 1600円)
オススメ度★★★★★
タイトルとカバーデザインだけで買った本だが、大正解!
久々のファイブスター。
一流大学を出て、一流銀行に勤め、アメリカの大学でMBA(経営修士号)
をとって、IT企業に転職し、若くして財務部長のポストに就き、高額な
年収をとり、六本木の億ションに住み、BMW7シリーズに乗って…
と絵にかいたようなエリート人生を送ってきた主人公の多岐川優。
ワケあって会社を辞め、祖父が住み父が生まれたとある田舎に足を
踏み入れる。
そこから、急転直下、予期せぬ流れとなり、田舎にのめり込むことになる。
舞台となる止村(とどめむら)は、高齢化と過疎化が進む典型的な
限界集落。
優は、この村を再生しようと八面六臂の活躍をはじめる。
構造的なものだから、一言に再生と言っても容易ではない。
それを、持ち前の経営手腕、いくつもの再生案件に取り組んできた経験、
押しの強さ、リーダーシップで乗り切っていく。
限界集落だけど、そこには夢が生まれ、それを育むひたむきさがあり、
愛もあり、恋もある…、そんな人間模様が繰り広げられていく。
そして何よりも、優自身が変わっていくのが面白い。
そんな大きな困難もなく、夢は現実に近づいていくのだが…、
最後に大きな試練が待ち構えている。
物語は一挙に感動のクライマックスへと…。
最初は、町おこしや村おこしのヒントになるものはないか、という
スケベ心を持って読んでいたのだが、いいや、これはエンターテインメント
物語として純粋に面白い。
話の進み具合が少し安易なのではないかと感じるムキもあるだろうが、
そんなことあまり関係ない。
そして、この本には、前書きも、後書きも、解説もない。
本編のみの勝負。
これまたよし!
そうそう、作家たるもの、前口上や能書き、解説などゴチャゴチャとした
理屈なんか言わんでよろし。
今週末までゆっくり読もうと思っていたのだが、余りにも面白くて
昨晩から早朝まで一気に読んでしまった。
お陰で、もう眠くてヘロヘロ。
オレの五つ★評価のひとつの基準は、「寝食を忘れてしまう」こと。
他にもいくつかあるが、本作品はこの点において合格。
なんか、映画化とかドラマ化されるようなストーリーだし、先月末に
出版されたばっかだけど、そこそこのベストセラーになる要素あるぜえ。
ぜひ、年末年始のお楽しみの一冊にしてみたら?
2011.12.13:
ycci
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