ぶっくぶくの部屋

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およそ2週間ぶりのアップ。
平日はほとんど読めるような状態で帰れないし、
寝床読書でがんばっても、せいぜい20〜30分がいいとこ。
電車や待合室で、さてと本を広げると知人に会い、
何となく四方山話になっちゃって。
でも気になる本は頻繁に買っているのよ。
だから、オレの部屋はただ今「積ん読」の最高潮。
春や夏ごろに買ってまだ読んでない本もあり、借りて読んでない
本もあり、未読冊数はおそらく50冊はゆうに超えていると思う。
少し忸怩たるものもあるけど、別にギムで読んでるわけでないし、
ノンビリいくことにしよう。
なんて言ってるうちに「旬」を過ぎてしまいそうな本も
あったりして…。

File No.282
『猫鳴り』沼田まほかる(双葉文庫 524円)
オススメ度★★☆☆☆

この作家、近頃注目されているらしい。
新聞や雑誌で取り上げられているのを見たことがあるし、本屋でも
結構平積みしているのを見かける。
オビも強烈で、「おすすめ文庫王国2010-2011第1位!」ときたもんだ。
読まず嫌い・食わず嫌い・やらず嫌いを厳に戒めているオレとしては
こりゃ一度は読んでみにゃなるまい。
ということで読み始めたところ、なかなか独特のワールドを形成
している印象を受けた。
「モン」というちょっと不思議な猫をめぐる三部構成の物語。
第一部では、中年にさしかかって授かった子供を流産してしまった
女性のやるせなさやイラ立ちを重ねる。
第二部では、不登校少年のイラ立ちと絶望・虚無感が重なる。
第三部では、妻に先立たれた初老の男の終末観・死生観と「モン」
の最期が重なり合う。「モン」が今わの際で見せた近づく死を
静かに受容していく姿はなかなか読みごたえがある。
猫に教えられた死生観とでも言うべきか。
確かに短編にしては読みごたえはある。
しかし、主題への切り込みという点で、オレは少し食い足りない
感じが残ってしまった。
あと、巻末の「解説」も蛇足の感を拭えない。
この本に限らず、すべからく「解説」とか「まえがき」とか
「あとがき」なんてものは要らない、本編オンリーの勝負で
充分、とオレは常々思っている。

2011.12.10:ycci:count(829):[メモ/コンテンツ]
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