ぶっくぶくの部屋

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イモ・クリ・ナンキンとはよく言ったものだ。
いずれも多くの女性が好むポクポク甘系の秋の味覚。
男のオレは余り好みではない。
イモはノドにつっかえるし、ムネやけする。
南京(カボチャ)は、激甘の冬至カボチャを「風邪引かないから」
と言ってムリヤリ食べさせられたトラウマがある。
でも、クリばかりはちょいと違う。
甘いクリやクリご飯は敬遠気味だが、生グリや焼きグリは好きだ。
ご幼少のみぎりの秋の遊びと言えば、クリ拾いと落ち葉焚き。
拾ったばかりのクリの皮を歯でむき、ガリガリと食べる生グリの
本来のほの甘さや少々のエグみが何とも言えない。
これまた歯で穴をあけ、焚火の中にブチ込む焼きグリも芳ばしい。
今日、久々に焼きグリを食べて懐かしかった。
他家所有のクリを拾っては追っかけられ、こっぴどく叱られた
想い出も付属しているが…。
でも今になって考えると、他愛もない子供たちのささやかな
クリ拾いに目を剥いて怒るのも大人気ないよなあ〜。
大人は子供らしい稚気に対して鷹揚でなきゃね。
もちろん要所では厳しく。

File No.270
『小太郎の左腕』和田 竜(小学館文庫 657円)
オススメ度★★★☆☆

和田竜と言えば、あのベストセラー『のぼうの城』の作者。
この本も、痛快で面白くて一気に読んでしまった。
ケレン味のないエンターテインメント時代小説、といったところか。
時は16世紀中ごろの戦国時代、西国の領主・戸沢家をめぐっての
展開。もちろん設定やストーリーはフィクション。
主人公は雑賀小太郎。左構えの鉄砲(火縄銃)の天才射手。
長い間その腕前は祖父によって世間から秘匿されていたのだが、
あることがキッカケで、その天性を発揮することに。
その腕前は、ひとつの戦の勝敗さえ左右するほど。
でも、これだけじゃそんなに面白い物語ではない。
小太郎を見出し、その才を発揮させる林半右衛門という武将が
絶妙のキャラクターを発揮している。
主役を食ってしまうほどの準主役。
この半右衛門、戸沢家きっての武功者で隣国にまでその勇名を
轟かせている。一方では、「坊」とか「坊殿」とも呼ばれ、
部下や庶民にも愛される人柄でもある。
この男の生き様が、サムライらしい単純さと潔さで、この時代の
雰囲気をよく醸している。
最後は……になって、やはり……!
(読んでのお楽しみ)
理屈抜きに2〜3時間どっぷりと楽しめる本でもある。

2011.10.30:ycci:count(1,150):[メモ/コンテンツ]
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