ぶっくぶくの部屋

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プロ野球はセ・パともにクライマックスシリーズが始まり、
文字通りシーズンのクライマックスを迎えている。
が、しかし…
オレ自身の中ではなかなか盛り上がらない。
以前は、本当にテレビにかじりつかんばかりに観て、
終わってからもスポーツニュース観て、そして次の日には
スポーツ新聞を読んで、ってな具合だったんだがなあ〜。
今じゃ一般紙で結果を確認するだけ。
超人的なオーラを出すような選手も少ないし、意外性も
あまりないし、大贔屓のGも弱いし、なかなかヒートアップ
しない秋…。

File No.269
『前へ!』麻生 幾(新潮社 1500円)
オススメ度★★★★☆

副題が「東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録」。
自衛隊・消防隊・国土交通省東北地方整備局・警視庁機動隊・
災害派遣医療チーム(DMAT)などが、いかに災害現場で
戦ったかという記録である。
これを読むと、それぞれがまさに命がけの戦いを挑んでいた
ことがよくわかる。
われわれがテレビの前でうち震えている頃、彼らは人命救助や
復旧、二次災害の防止などに身命を賭していたのだ。
というか、今でもその戦いは続いている。
中でも、原発事故現場での自衛隊と消防隊の勇気と男気には
感動する。
余りにも高い放射線量のため、なかなか放水活動に入れない
消防隊に、現場にいない政治家がいら立ち解任しようとする。
しかし、現場隊長の自衛隊員はあえて消防隊を突入させる。
消防隊長は男涙でそれに応える。
そう、プライドとそれを支える勇気こそが男の男たる所以なのだ。

国土交通省東北地方整備局の徳山局長も男だ。
道が通じなければ救助隊や復旧部隊が被災地に入れない。
その重要性から、徳山局長は「啓開チーム」を編成し、
ガレキで埋まった道路を切り開き、落ちた橋を通し、ただ
ひたすらに道を通して行った。それも3日間と言う短さで。
人の命の灯が消えないうちにという思いがこれを可能にさせた。
この「啓開」作戦のお陰でどれだけ多くの人命を救うことができたか。

これだけの活躍が出来たのは、当時の国土交通大臣や防衛大臣などの
「親分」が、「子分」たちに対して全幅の信頼を置き、ほぼ全権を
委ね、その責任は自分がとる、という覚悟があったからだ。
もちろん現場の士気は上がる。
こういう「親分」をほんとうの「将器」というのではないだろうか。

義と愛は米沢だけの専売特許じゃなく、サムライの血をひく日本の
男たちに脈々と受け継がれている。


2011.10.29:ycci:count(883):[メモ/コンテンツ]
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