ぶっくぶくの部屋
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ものぐさ太郎
ひょんなことからオレの部屋にテレビを入れることになった。
テレビなんて殆ど見ないから、なければないで別にいいのだが…。
テレビの置く場所確保や配線、初期設定などなどがあり、
メカ音痴で、超のつく面倒くさがり屋のオレにはかなり難行苦行。
テレビを置く棚の位置をずらそうとすると、スパナがない。
自転車でスパナを買いに行って、やっとこさ棚が出来たとこで
すでに3時間経過。
次にテレビの台(足を)を付けようとしたら、ネジをへんな穴に
突っ込んじまって悪戦苦闘。大汗だくだく。
ど〜れアンテナ配線をという段になって、今度はコードがない。
もうここで気持ちがプツン。
家族は「やっぱりムリだったなあ」みたいな顔してるし。
常套手段のフテ寝を少し思いとどまってメカニックディレクターに
SOS。ようやく事なきを得た時はすでに夜。
確か始めたのは昼過ぎごろ?
「ものぐさ太郎」本領発揮の日曜日半日ツブシの愚行…嗚呼。
File No.267
『漂砂のうたう』木内 昇(集英社 1700円)
オススメ度★★★☆☆
昨年度下期の直木賞受賞作品。
前から読んでみたいと思っていた本のひとつ。
時は明治の初め。
場所は東京・根津の遊郭「美仙楼」。
主人公は、ここ美仙楼の「立番」(客引き兼受付のようなものか?)を
勤める定九郎。
定九郎はもともと徳川の御家人を勤める家柄の次男坊。
レッキとした武士であった。
それが明治の世になって零落し、遊郭の立番を勤める日々を虚無的に
送っている。
世の中は大きく変わっても、武士であった自分は変われないと
思い込んでいたが、実は漂砂のごとくサラサラと流されているのだ、
というのが表題にもなっているこの本の主題。
物語は、美仙楼きっての売れっ妓「小野菊」をめぐって展開していく。
遊郭の独特の風習や風俗などを詳細に描写しながら、「廓」の
雰囲気を醸し出して行く。
妓たちの希望と絶望を織り交ぜながら。
この手腕はスゴイ。
さすが直木賞をとるだけの作品だ。
読み始めると、数分で自分も明治初期の根津遊郭にタイムスリップ
したような感じになる。
時代小説の出来不出来のひとつは、読者をその時代のその場所に
誘う力と技にある、とオレは思う。
2011.10.17:
ycci
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