ぶっくぶくの部屋

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先日、甥っ子の初体験にカコつけて久しぶりにパチンコに
打ち興じて、また再凍結したハズだったが…。
それは誘惑に弱いことでは自他ともに認めるオレのこと、
ついついフラフラとまた入ってしまった。
すると、最初の500円ですぐ絵柄が揃い、しかも三連チャン。
たった30分で!
パチンコファンの方ならどのぐらい勝ったかおわかりだろうが、
そうたいしたもんではない。が、オレとしては笑いをこらえきれない。
で、こうなると、これで止めになるワケはなく、数日後、ポッカリ
空いた時間にまたまたフラフラと…。
今日もまた来るかなあ〜なんてルンルンで打っていたのだが、
あれ〜、あれ〜、と言ってる間にズルズルと…。
1時間後のオレはボーゼン。
3回やったトータルは当然ボロ負け。
やっぱり、柳の下に二匹目のドジョウはいなかった。
ん?、ドジョウと言えば、今度の新首相のアダ名もドジョウ!?
まあ、何も関係ないことだけど。

File No.256
『ファントム・ピークス』北林一光(角川文庫 629円)
オススメ度★★★★★

パチンコぼろ負けの帰り、本屋によってこの本を買ってきた。
わき上がる憤怒を抑えながら読み出すと、面白くてとまらなくなった。
舞台は長野県安曇野の山の中。
主人公・三井周平の妻が山中でナゾの失踪をするところから物語が
始まる。
そして半年後に妻の頭蓋骨が偶然に見つかる。
あたかも、亡妻からのメッセージのように。
その後、次々とナゾの失踪事件が起きる。
一体、山で何が起きているのか?
ワクワク、ゾクゾクするような展開が続く。
それは、あたかもエンターテインメント映画を観てるようでもある。
それもそのはず、著者は映画宣伝会社のプロデューサーをやって
いたらしい。
後半になると、少しずつナゾのベールがはがされていく。
そのナゾの正体とは、な、なんと…!
これはすごいストーリーだわ。

これは別の作品もぜひ読まなきゃ、と思い、著者のプロフィールを
見たら…。悲しいことに2006年に亡くなっていた。
オレよりも少し若いから、亡くなったのは40歳代の半ば。
そして、この物語は、生前の著者が世に出した、たったひとつの作品で、
松本清張賞の最終候補まで残っている。
実に惜しい才能だった。
このぐらいの書き手だったら、もっともっと心揺さぶる物語を紡げたのに。

オレは元来、書き手自身のことには殆ど興味がない。
人格とか性格とか履歴とか容姿とか、そんなことはどーでもいい。
作品がすべて。
世にあまたいるアーティストもすべからくこのならい。
絵でも、音楽でも、映画でも同じこと。
だから、作家と握手したいとか、サインをもらいたいとか、コンサート
に行きたいとか、まったく思わない。
だから、この「北林一光」という作家も、たった一つの遺作から、
その才能を心から惜しむばかりだ。

できれば2、3時間、何にも邪魔されない時間をとって、一気に読むことを
お勧めする。さながら映画を観るように。

いやあ〜、パチンコなんかよりずっと面白い。
天国にいる著者の才能への賛辞も込めて五つ★!

2011.09.04:ycci:count(693):[メモ/コンテンツ]
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