ぶっくぶくの部屋

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先日視野検査なるものをした。
視野欠損がないかどうかを調べるものらしいが、
結果は見事に?両眼とも見えない部分がくっきり現れた。
が〜ん!だ、だめか?
と思いきや、お医者さんはそんなに重篤なものではなく、
経年劣化(≒老化現象?)の範疇かも、とのお達し。
ついでに、近年ひどくなってきた飛蚊症も見てもらったら、
これも同じようなことらしい。
安心したような、そうでないような変な気分で外に出て
歩き出したら、ううっ、まちぽい!(=まぶしい)
瞳孔を開く薬を差されたんだった。
目を開けていられない。
うつむいて、手で目を覆ってヨタヨタと歩いていたら、
「おい、大丈夫か?かなり具合悪いんが?」
と知人に呼び止められた。
それはそうだ。病院の前で絶望に打ちひしがれたような格好で
歩いてんだから、そう思われるわなあ。
大丈夫。昨晩も元気に三次会まで行って夜の地域経済に貢献して
まいりましたっ!
(お陰で小遣いスッカラカン)

File No.231
『津波災害―減災社会を築く』河田恵昭(岩波新書 720円)
オススメ度★★☆☆☆

津波というと、あの3.11の悪夢が生々しくよみがえってきて
しまう。
少しずつ復旧の動きが出てきたとは言え、余りにも多くの命が奪われ、
街が壊滅し、その傷は永く癒えることはないだろう。
この大災害に遭遇してしまった我々は、自助・互助・共助・公助の
精神や仕組みをもう一度立て直しながら、これからの復旧・復興の
道のりをしっかり見守り続けていかなければならない、とオレは
思う。
自粛を解禁して元気に前向きに生きようというのは大賛成だが、
それは災害の悲惨さや悲しみを忘れるということではない。

そんなことを思いつつ、この本を手にとってみた。
この本の発行日は昨年の12月だから、大震災のおよそ3カ月前
ということになる。なんというタイミング。
大震災の前にこの本を読まれた方も多くいるのではないだろうか。
まさか、この本に書かれている以上のことが起こるとは、著者自身を
はじめ、誰も思ってもみなかっただろう。
近代において三陸地方を大きな津波が襲ったのは3回。
1896年の明治三陸大津波。
1933年の昭和三陸大津波。
そして2011年。
因みに、およそ2万2千人もの犠牲者を出した明治三陸大津波より、
今回の犠牲・被害ははるかに多大。
過去の被災社会で大きな問題となったのは、
1.家系の断絶
2.高地移転
3.漁業の復活
の3点に集約されるという。
今次もまさにこれらの問題が切実である。
「日本の津波常襲地帯」という章の「三陸沿岸」の項では、
「三陸沿岸は宿命的な津波常襲地帯であるといえる。…
沖合で津波が増幅し、沿岸でも増幅するという津波の
『二重レンズ効果』が三陸沿岸では起こる」と指摘している。
まさに、それが起こってしまった。
この本では、津波の歴史やメカニズム、そして防災・減災のことまでを
ひと通り網羅して書いてあるが、では、実際に津波が襲来したら
どうするのがベストなのか。
それは、一にも二にも「高いところに逃げる」ということ。
三陸地方では、「津波てんでんこ」という教訓が言い伝えられている
そうだ。
津波が来たら、一人ひとりがそれぞれに(てんでこに)逃げろ、
という意味。
また、この本では、東海・東南海・南海地震の際の津波とその被害
予測にも触れていて、少し背筋が寒くなるようでもある。
「水は昔を覚えている」という話もナルホドと思う。
(詳細は記さない)
著者は最後に、災害の体験・経験は起こった瞬間から風化が始まる
から、語り継ぐことが大切である、と述べている。
そうか、見守り続けるだけでなく、それを語り継ぐことが大事なんだ
なあ。
たとえ、テレビで観ただけだったり、被災地の一部をちょっと見た
だけだとしても、語り継ぐということは、それぞれがそれなりに
できることではないだろうか。
現に、米沢でも今もって昭和39年の新潟地震や42年の羽越水害
の時の体験や経験が話題になる。
60歳以上の体験者の方々の話は、オレにとって最も関心の高い
もののひとつにさえなっている。
若い方々もウザイなんて言わずに、ぜひ素直に耳を傾けてごらん。
災害時の状況や心理がリアルに伝わってくるよ。



2011.05.14:ycci:count(700):[メモ/コンテンツ]
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