ぶっくぶくの部屋

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今回の大震災で、非常時に持ち出すものをリュックにまとめてみた。
その中のひとつに「十徳ナイフ」がある。
ナイフというと少々物騒に聞こえるかもしれないが、これは、
小ナイフや缶切り、栓抜き、ワインオープナーなどがコンパクトに
一体となった伝統的小道具である。
別名「アーミーナイフ」とか「スイスアーミー」とか言われるだけ
あって、もともとはスイスの軍用品だったようだが、
今はアウトドアの必需品として広く世界中で使われている。
オレもアウトドアに入れ込んでいた頃、2つ3つ買ったのだが、
今手元に残っているのはひとつだけ。
久しぶりに使ってみると、コレなかなか便利な道具。
道具で人が生かされるのではなく、人が道具を使うのだという
当たり前のことをシミジミ感じさせられた。

File No.224
『民宿雪国』樋口毅宏(祥伝社 1400円)
オススメ度★★★☆☆

少し心が荒んでいるので、たまに面白いストーリーに浸りたい
と思って本屋を物色していたら、この本に目が止まった。
必要に迫られた時しか単行本は買わなくなっているのだが、
なぜか、この本のタイトルやカバーデザインが気になって
買ってしまった。
タイトルからして、ほんわかした内容と思いきや、第1章
「吉良が来た後」を読んで、いきなりブットビ!
ええっ!こういう本なの!?
こんな構成、こんなストーリー展開、ちょっとほかには思い
当たらない。
新潟県T町で「民宿雪国」を営む丹生雄武郎という老人の
数奇な人生と猟奇的な行為を、矢島博美という編集記者が
解き明かしていくストーリーになっている。
こう書くと平凡な内容に思えるが、さにあらず。
かなり強烈なストーリーの連続だ。
面白い、というより、オドロキ。
雄武郎が心から愛したある女性への想い、というのが通底に
あるのだが、ひとつひとつの物語設定の過激さが、それを
はるかに凌いでしまっている。
著者にもそういう懸念があったのか、申し訳のように
「あとがき」を書いている。
ストーリーテラーたる者が「あとがき」なんぞ書くことを
オレは余り好まないが、この本の場合はあって良かった
のかも知れない。
でなけりゃ、何が本題なのかを見失ってしまうかも。
これは決してけなしているワケではなく、想像力や筆力が
ありすぎるため、「書き過ぎ」のような印象を受けた、
ということ。
まあ、とにかく一度読んでみてよ。
余震の恐怖も吹っ飛ぶかもよ。

2011.04.09:ycci:count(951):[メモ/コンテンツ]
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