ぶっくぶくの部屋

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昨日の深夜のこと。
ほぼ1週間ぶりにアップしようと思い、あれやこれや
打ち込んで、いざ「投稿」。
そしたら、な、なんと、無情の「ログアウト」。
なんでやねん!
当然、打ち込んだ内容は虚しく失われ、気持はブチギレ、
電源もブチ切って寝てしまった。
寝床で気持を落ち着けながら、つらつら考えるに、
だいぶ以前にもこんなことがあったなあ、と苦笑い。
今をさかのぼることン十年前、オレがルーキー社会人だったころ、
職場に初めて「ワードプロセッサー」なるものが入った。
バカでかくて、バカ高いその機械は当時先進的なオフィスの
象徴でもあった。
物珍しさのほとぼりが冷めたころ、その機械の操作は当然
最下っ端のオレの役目に。
仕事に燃えに燃えてた頃のある日(今が燃えてないということでは
ないので誤解なきよう)、深更に及ぶまでワープロをひたすら
打っていた。自慢の?力強いストロークでバシバシと。
もうあらかた終りの頃、一服つけて「ふあ〜」と手足を伸ばした
とたん、ディスプレイがプツン…。
一瞬何が起きたのかわからない???
察しのいい方はわかるでしょ、身に覚えがあるでしょ。
そう、伸ばした足でコンセントを外してしまったのよ。
あれやこれやいじくりまわした結果、失われたデータが復元しない
ことを悟り、奈落の底へ…。
確か、かなりの分量の名簿だったような気がする。
期限は明日だけど、もう帰らないと終電ないし、打ち直す気力もない。
そして、なぜか、そのあとどうしたかの明確な記憶もない。
家人の証言から類推すると、駅についてからどっかの飲み屋でバカ飲みし、
かつてないほどの泥酔に陥り、あらん限りの大声で演歌をがなりながら
玄関に倒れこんだとか…。
その演歌とは、「矢切りの渡し」だったそうな。
「連れてえ〜、逃げてよお〜」
どっかに逃げて行きたかったんだろうなあ、きっと。

File No.216
『ヘボン物語』村上文昭(教文館 1800円)
オススメ度★★☆☆☆

前置きがかなり長ったらしくなってしまって恐縮至極。
先日読んだ清水義範の『銅像めぐり旅』に触発されてか、ヘボンの
ことがもっと知りたくなって、図書館でこの本を借りてきた。
ヘボンと言えば「ヘボン式ローマ字」ぐらいしか知らなかったが、
ところがどっこい、この異人さんは日本の近代化のために、数多くの
偉業を遺している。
ヘボン、本名ジェームス・カーティス・ヘッバーンは、アメリカ
生まれの医師にして宣教師。
44歳の時に夫人を伴って幕末の日本にやってきた。
目的はもちろんキリスト教の布教。
ところが、当時の日本はまだ禁教令がでていたため、ヘボンは
庶民に病気の治療を施してやったり、私塾を開いて英語や医学を
教授したりした。
とくに眼疾の治療の腕がよく、またたく間にその名声が広がって
いく。
そして、最大の偉業が、現代の英和辞典・和英辞典の基礎となった
『和英語林集成』を編集・刊行したこと。
日本語を殆ど知らない外国人が英和辞典を作るなんて気が遠くなって
しまうようなことだ。どれだけの艱難辛苦を乗り越えたかわからない。
ヘボンが横浜や神奈川の街に出て、片言の日本語で、
「コレナンデスカ?」
と聞いてはカードに書き込み、毎日毎日語彙を拾っていく姿が
彷彿としてくる。
この辞書の刊行によって、それ以後の英米と日本の交流・コミニュ
ケーションの扉が開いていくのである。
また、彼のヘボン塾は、後の明治学院の淵源となり、彼自身、明治
学院の初代総理を務めている。
クララ夫人も英語教育にあたり、それは後のフェリス女学院の
ルーツとなる。
ヘボンが日本を後にしたのは77歳の時。
滞日は33年の永きに及んだ。
人生の黄金の時を日本の近代化に捧げた、と言っても過言ではない。

それなのに、なんで★2つなのか?
それは、この本の構成や記述がオレ的にはいまいちの感があったから。
これだけの人物なんだから、もっと情緒的に、熱を込め、時系列的に
ヘボンの人生の足跡を丹念に、真正面から描いてほしかった。
でも、それはオレの勝手な言い分でもある。
学者(研究者)とライター(作家)のアプローチ・表現は根本的に
違うのだろうから…。

蛇足ながら…。
ヘボンは、東北を旅して『日本奥地紀行』を著したイザベラバード
とも交流があったようだ。
なんとなれば、お雇い教師として米沢に赴任したチャールズ・ヘンリー・
ダラスとも会っていたのではないだろうか。
そして、しばし米沢の話に花が咲いたのではないだろうか…、
なんて想像すると何だか面白いなあ。



2011.02.26:ycci:count(1,266):[メモ/コンテンツ]
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