ぶっくぶくの部屋

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昨日、大雪の米沢を後にして久しぶりに東京に向かったオレ。
本やら資料やらを読んで余り車窓から外を眺めることもなく、
列車は東京駅へ。
な、なんじゃあ、この天気、暖かさは。
ぶ厚いコートに手袋なんてここでは無用の長物!?
その上、すんでのところで「長靴」のまま来るところだったし…。
2時間ちょっとぐらいの時間距離でこの落差はどうよ。
街ではサイクラーが風切って走ってるし。
う、うらやましい〜。
でも、永く厳しい冬があるからこそ、春の喜びはひとしおなんだ。
そだなごどもわがんねべ、都会衆のおまえったには。
強がりじゃねぇぞお。

File No.210
『ゴールデンスランバー』伊坂幸太郎(新潮文庫 857円)
オススメ度★★★☆☆

「ゴールデンスランバー」と聞くと、ビートルズの?とピンとくる
人は嬉しいねえ。
そう、ビートルズの数あるアルバムの中でも最も人気の高い
「アビー・ロード」B面の終りの方に収録されているポールの曲。
このアルバムには、そのほかにも「サムシング」や「ヒア・カムズ・ザ・
サン」等々名曲がたくさん収録されていて、4人がアビーロードを
渡っているジャケットも超有名だよなあ。
高校時代、友達ん家でレコード盤が擦り切れるまで聞いて、輸入盤の
ものを手に入れた時は一晩中聴いていたような記憶がある。
今も当然、CD盤を持っていて、たまに聴くと懐かしさにこみあげて
くるものがある。
こんな気持がわかるのは、わが社では「かちょー」と「Y大兄」ぐらい
だろうなあ…。

そんな曲名をタイトルにした小説って、と思いながら読んでみると、
「ゴールデンスランバー」に主人公たちの想いが重なっていて
実にいい。
出だしの
「Once there was a way to get back homeward」
(昔は故郷へ続く道があった…)
に主人公たちの学生時代の想い、いや、学生時代への想いが重なる。
みんな、それぞれにそんな想いを抱いてこの曲を聴いている
のかも知れない。
読んでいて、思わずオレも口ずさんでしまって、隣の人から
怪訝な目で見られてしまった。

運送会社の配送係だった主人公・青柳雅春が首相暗殺事件の犯人に
仕立てられてしまう、というのがこの物語の設定。
舞台は仙台。
読みどころは、追手から逃げる主人公とその周りの人々の言動や
心理の動き、そしてア然とするような結末。
ちょっと長いけど、なかなか読みごたえがある。
構成が『1Q84』とちょっと似てなくもないけど…。

この著者の本を前に読もうとしたことがあったが、普通は2〜3
ページ読むと書き手のリズムみたいなものに入っていけるんだけど、
なかなかシックリこなくて、途中で止めてしまった。
つまり、リズムや感覚が合わないのだろう、と思っていた。
今回は、強い勧めもあって、あまり乗り気でないままに読み始め
たが、やっぱ最初のころはあんまりスムーズじゃなかった。
が、中盤ぐらいなるとようやく慣れてきて、物語にズボっと
入ってしまった。
この調子でもう一冊読んでみっか。

2011.01.22:ycci:count(1,100):[メモ/コンテンツ]
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