ぶっくぶくの部屋

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今年もいよいよ残り一日となった。
当然のことながらカレンダーや手帳も代わる。
過去の手帳なんて余り見返すこともないのだが、
手元にたまたまあったので、パラパラと繰ってみた。
いつものことながら飲み会が多いなあ。
いったい一年で何回あったんだろうと、
ざっと数えてみたらまあ200日前後というところ…。
ということは、一週間に4日のペースかあ。
自ら進んで飲むほど強くも好きでもないオレにしてこの頻度。
今年も、少しは地元のお店に貢献できたかな?

File No.202
『最後の忠臣蔵』池宮彰一郎(角川文庫 590円)
オススメ度★★★★☆

昨晩、レイトショーで『最後の忠臣蔵』を観てきた。
面白かったあ!
『十三人の刺客』、『ヤマト』と、オレにとってはやや食い足りない
映画が続いたせいか、今回はとくに良く感じた。
これぞ武士!
『たそがれ清兵衛』も良かったけど、それを凌ぐかも知れない。
オレはあんまり泣かない方なんだけど、滂沱と溢れる涙を
拭いながらの観賞となった。

で、さっそく買い置きしていた池宮の原作を読み始めた。
これもなかなかいい。
原作は、忠臣蔵を主題にした連作四篇を収録している。
いずれも主人公は寺坂吉右衛門。
足軽身分の寺坂は、吉良邸討ち入りの四十七士の一人でありながら、
大石内蔵助の命により、一人だけ自首から逃れ、後世への正確な
伝聞と、遺された家族たちのケアを託される。
生き延びた卑怯者との悪評を浴びながら、また、公儀や刺客の影に
怯えながらも、命に忠実に従い、武士としての本分を尽くそうとする
姿は感動的である。
連作の三作目『命なりけり』では、赤穂藩ゆかりの者たちが深慮遠謀
をめぐらし、寺坂を自首させている。
旧赤穂藩士たちと公儀の闘いは、将軍側用人として権勢をふるった
柳沢吉保をめぐる政争の様相にまで発展し、ついには、大赦令に
よって終結する。
旅から旅へと諸国行脚をしてきた寺坂が終の棲家にしようとした
女は…。切ない結末が待っている。

そして圧巻は、連作最終編の『最後の忠臣蔵』。
映画の原作となった物語である。
映画と原作は若干の相違はあるものの、最終盤には切なくも感動的な
ラストシーンが待っている。
映画も原作も、この年末年始のいちおし!

『忠臣蔵』というと、ここ米沢では忌み嫌う人もいると聞くが、
原作中、上杉武士は武勇を誇る者たちとして描かれており、
山吉新八郎も忠義の士として登場してくるので、少しばかり
溜飲を下げるだろう。



2010.12.30:ycci:count(1,253):[メモ/コンテンツ]
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