ぶっくぶくの部屋
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名著に近い!?
しばらくアップしてない間にも色々なことがあったなあ。
まず、トラキチ某氏の悪態的予告のとおり、わがジャイアンツ
はクライマックスシリーズのファイナルステージでドラゴンズ
に「ボロ負け」した。でも、テレビでまったく観てないせいか、
不思議に悔しさはあまりない。来シーズンに期待するのみ。
あと、まだ紅葉してない斜平山に初冠雪があったのも、ちょっと
オドロキだったなあ。
紅葉極まった斜平がうっすらと冠雪した初冬の早朝風景は、
オレのもっとも好きな「米沢」のひとつなんだが、今年は
あまりにも早すぎた。
マツタケも大豊作のようだ。直売所には、大型のマツタケ
が所狭しと並んでいる。
例年よりもだいぶ安いそうだが、手にとった1本の値段を
聞いてみたら、まだまだオレにとっちゃ高嶺、いや「高値」の花。
マツタケをそっと返して、ナメコ買ってお茶濁して
スゴスゴと帰ってきた。
File No.185
『昭和の仕事』澤宮 優(弦書房 1900円)
オススメ度★★★★☆
図書館で「ついで借り」してきた本なのだが、どっこい
これは名著に近いかもしれない。
こういう本を誰かが書き残さないと、昭和の時代の仕事史
というのは断片的にしか語り継がれなくなってしまう。
本自体もさることながら、この本の購入をリクエストした
人もエライ。
内容は3部構成になっている。
第1章は、放浪詩人高木護の軌跡と、彼が就いた百数十種類
と言われている仕事の主なものを紹介している。
同時にふたつの主題を追うというノンフィクションには
ちょっと珍しい手法だが、何だが不思議な面白さに包まれて
しまう。
高木護という男の特異な人生と、実に様々な仕事。
「木賃宿」の由来も、この本で初めて知った。
湯をわかす薪代だけで泊まれた宿のことだそうだ。
もちろん食事は自炊である。
高木の生き方には大きな問いがある。
それは、「人間は用を果たさなければ駄目なのか」ということ。
役に立たない人間はクズ扱いするような社会に、大きな
疑問を投げかけている。
第2章は、戦後失われていった仕事の紹介オンパレード。
「純喫茶」というのも懐かしい響きだけど、なんで「純」なのか、
今の今まで知らなかった。大正や昭和初期に「女給」をおいて
性的なサービスをするカフェーなどと区別するために付けたのだ
そうだ。ふ〜ん、ってかんじ。
「紙芝居」もなくなって久しい。
オレは小学校にあがる前に見た記憶があるが、果たして見た経験の
ある年齢ボーダーはどのぐらいなんだろう。40歳代後半ぐらい
かなあ。もちろん、復活版や模擬版ではなく、「5円で水あめ」
のような、いわゆるプロの紙芝居屋さんを見たことがある人も
だいぶ少なくなった。
なくなってしまった仕事には「修理」が多いという特徴がある。
現代のような「使い捨て」ではなく、モノを大事に使っていた
のだろう。
「鋳掛屋」(いかけや)とか「箍屋」(たがや)なんて、もう
死語に近い。いずれも、オレの母親はよく知っていた。
家業が味噌・醤油醸造業だったから馴染みが深かったのだろう。
どんな仕事か知りたかったら、一度この本を読んでみることを
おすすめする。クソまじめに最初からきちっと読まなくても、
パラパラ拾い読みしてるだけでも、なかなか面白い。
最後の第3章は、今も生き続ける昔の仕事をいくつか詳しく
リポートしている。
なかでも抜群に面白いのが「三助」の橘秀雪と、「ポン菓子」
の吉村利子。
前者は、「今でもあるのか!」というオドロキ、後者は感動的な
実話だ。
この本、最後にちょっとしたオチがついている。
それも、この本の紙価を高めるのに一役買っている。
最後に、なんで、「名著だ」じゃなく、「名著に近い」と
したのか?
それは、東日本・北日本も含め、もっともっと事例を網羅
した「大著」にしてもらいたい、というオレの勝手な
願望を込めたもの。
2010.10.30:
ycci
:count(1,573):[
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