ぶっくぶくの部屋

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プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ1stステージは、
わがジャイアンツが宿敵タイガースをストレートで下し、
2ndステージへと進んだ。
昨晩、自他共に認めるタイガースファンの方にオレが、
G「阪神、残念でしたねえ」
T「うっせ〜よ!」
G「敵ながら元気なかったなあ」
T「ふん、巨人なんか中日にボロ負けすっから見てろ!」
かなりムカついたけど、年配の方なんでお譲りした。
たぶんこの方、タイガースが好きというより、ジャイアンツ
が心底嫌いなんだろうなあ。
オレはそんなことはない。他チームでも好きな選手は
いっぱいいる。もちろん阪神にだっている。
何でもいいから贔屓のチームが勝てばいいというのでは、
精神衛生上、とても良くない。
かつてのわが家が「野球火宅」だったから、なおさら
強く思う…。

File No.184
『傍聞き』長岡弘樹(双葉社 1400円)
オススメ度★★★☆☆

この間、新聞の新刊広告を見ていたら、長岡弘樹の本の宣伝が
載っていた。広告だけど、なかなか面白そう、と思って
調べてみたら、この方、ナント、山形市出身・在住の作家
じゃないか。
ということは、「山形本」?
ハズカシながら知らなかった。
まだまだだなあオレも。
じゃあ、さっそく彼の代表作でも読んでみようと本屋に行って
探したのだが、なかなか見つからない。
こうなれば図書館か、と思って行ったら、あったあった。
やっぱ、以前に発行されて文庫化されていない単行本を探すには、
何と言っても図書館が便利だ。
この『傍聞き』(「かたえぎき」と読む)は、一昨年の日本推理
作家協会賞を受賞した彼の代表作だ。
この本には、表題作のほかに『迷い箱』『899』『迷走』の
4つの短編が収録されている。
いずれも、がっちりしたナゾの設定はなく、淡々と始まり
自然体で繰り広げられる不可思議なことと、その推理・解明という
ストーリーになっている。
奇を衒おうとする気負いや、エンターテインメントに走ろうとする
ケレン味がなくて好感が持てる。
表題作の『傍聞き』というのは、自分と他者との会話(対話)を
第三者にワザと聞かせることによって生じる効果というものを
題材にしており、とても面白い。
でもオレは、『迷走』の方が面白かった。
読んでいても、一体どうなるんだ、なぜなんだ、と思いめぐらすが、
ある部分まで糸口さえわからなかった。
著者自身も、何かのインタビューで、この作品を一番の自信作
と言っている。
設定(前提)をもう少し工夫すれば、この作品はもっともっと
面白くなっていたかも知れない。心臓の持病で倒れた、というのは
設定として少しヨワイとオレは思うのだが。
おっとっと、ストーリーはこれ以上言えない。
もう一冊借りてきた本を読み終えてから図書館に返すから、ぜひ、
この「山形本」を読んで欲しい。
ローカルで創られた「全国本」でもある。

2010.10.19:ycci:count(877):[メモ/コンテンツ]
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