ぶっくぶくの部屋

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いつも読み散らかしている本どもを、たまには本棚に
と思って積んでると、あれっ、奥の方に見たことある
タイトルの本が…。
取り出してみると、『瀬島龍三 参謀の昭和史』(保阪正康)
だった。しかもハードカバーの単行本。
発行日は1988年とあるから、まだ昭和の時代に読んだのか、オレ。
ん?、もう一方の手に持っているのは、先日読んだばかりの
同じ本の文庫版。
ちぇっ、またやっちまった、「ダブリ買い(読み)」。
すべては、オレの記憶力減退が原因だが、二度や三度でない
この失態というか、時間と金のムダ遣いに対する悔悟みたいなものに
たえきれなくなって、家を飛び出した。
向かった先は古本屋。
1冊100円の本を片っ端から買いまくって、その数約20冊。
へ〜んだ、100円ならダブっても痛くないワイ!
われながらアゼンとしてしまう奇行…、奇考?

File No.178
『にこにこ貧乏』山本一力(文春文庫 514円)
オススメ度★☆☆☆☆

これは100円の古本ではない。
ちゃんと新刊本で買った。
ん〜、この本は古本でも良かったかなあ〜。
そもそも、エッセイとか随筆というのは、あまり好んで読まない。
なぜなら、ただでさえ記憶力が減退しているのに、読んでから
1週間後には何も覚えていない、というのが、この「軽妙な」
エッセイというやつ。
もちろん、湯川秀樹の『旅人』のような別格も何冊かはある。
じゃあ、何で買った?
それは、山本一力というネームバリューと、「貧乏」という
タイトル。
以前読んで面白かった志ん生の『びんぼう自慢』のイメージが
残っていたのかも知れない。
たしかに、この本も面白い。
「エンジンブレーキ」などは読んでいて抱腹絶倒。
山本一力のカミさんが、自動車教習所で練習中に、教官から
「エンジンブレーキをきかせて」と言われて、やおら助手席に
足を伸ばし、教官用に付いている緊急用フットブレーキを
思いっきり踏んだという椿事。
共感するところもあった。
「(今の時代は)キーボードを叩くだけで、たやすく書けるが
ゆえに、文章は冗漫で弛緩していることが多い…」
言えてるなあ〜。オレも気をつけないと。
いや、そうじゃあないだろう、という部分も。
手書きの効用というテーマのところで、山本は年賀状の文面は
印刷するが、宛名だけは手書きにこだわってると書いてる。
でも、オレは逆だと思うんだけど…。

こういうふうに書いてると、なぜ★1つの酷評?と思うかも知れない。
それは、山本一力ぐらいの時代小説の書き手なら、日常的な雑文まで
売文しなくてもいいだろう、と思うことと、家族を出しすぎている
こと、そして、時代小説では稀代の名手であるが、それに比して
エッセイは文章も内容もイマイチ…。
あくまでもオレの個人的感想ではあるが。
ストレートに言うと、山本一力は時代小説だけで勝負してほしい、
と作品ファンの一人として強く願う。
これ以上、自分自身を語らないで…。


2010.10.09:ycci:count(873):[メモ/コンテンツ]
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