ぶっくぶくの部屋

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ものぐさなオレらしくもなく、このところ3日連続のアップ。
スバラシイ!
そのわけは…?
ひとつは、あまりにもの暑さで飲むのを少々控えていること。
ただでさえ多汗な体質なのに、必要以上にアルコールが入ったら、
もう後は塗炭の苦しみ。
涼しいところで冷たいものを飲んでいる時は、そりゃ快適至極。
でも、その後よ、問題は。
クーラーをギンギンにして寝るんだけど、いつの間にか止まってて、
汗みどろになって目を覚まし、家人と夜中の口ゲンカ。
こちとら、できれば冷蔵庫の中にでも入りたい気分なのにもうっ!
犬も食わない話はこれくらいにして、3日連続アップのもうひとつ
の理由は、ここ数日、複数冊を並行して読んでいたこと。
「本は同時に10冊読め」なんて本があったけど、オレはせいぜい
4、5冊がいいところ。
それ以上だと、わけわかんなくなるとともに、相対的に面白くない
本をほっぽってしまう。

File No.161
『日本人へ 国家と歴史篇』塩野七生(文春新書 850円)
オススメ度★★☆☆☆

塩野七生の新書本というので、姉妹本の「リーダー篇」とともに
中身もみないでスグ買った。
読んでいるうちに、なんだか「既読感」のようなものを感じた。
そうだ、これは、月刊「文芸春秋」の巻頭エッセイをまとめて
新書本にしただけなのだ。
ちょっとガッカリ。
でも、こういうのってよくあるよなあ。
月刊誌や週刊誌に連載していたものを編集し直して本にしてまた
売るというやり方。
こういうのをオレは「グリコ本」と呼んでいる。
そのココロは、言わずと知れた「2度おいしい」。
初めは月刊誌に掲載し、その後、値のはる単行本で売りまくり、
話題が少々冷えた後は、値ごろ感のある文庫本で売るという
2回どころか「3回おいしい」という方法はよくやる手。
それでも本は売れなくなってきてて、市場規模も2兆円ぐらい
になってしまっているのだから、活字離れによる出版業界の
不況は少々深刻だ。
本題からそれてしまった。
「グリコ本」ながら、中身はさすが大作『ローマ人の物語』の
著者だけあって硬骨にして示唆深いものがあり、どちらかと
言うとオレ好みの内容・筆致である。
「怒り」を抑えに抑えている身としては、こうした歯に衣着せぬ
筆致はスゴク気持ちいい。
2つ3つ引用してみる。
「亡国の悲劇とは、人材が欠乏するから起こるのではなく、
人材はいてもそれを使いこなすメカニズムが機能しなくなるから
起こるのだ」
その通り(だと思う)。国でもいろんな組織でも同じこと。
「バカにつける薬はないと言うけれど、利口だと思い込んで
いる人につける薬もない」
ひえ〜、そこまで言うかあ。でもナルホド。
「もしも外国人の誰かがこの日本の歴史を書くとしたら、
個々の分野では才能ある人に恵まれながらそれらを全体として
活かすことを知らなかった民族、と書くのではないだろうか」
そうかなあ?でも、あのローマの壮大な歴史物語を書いた著者が
外から客観的にみてそういうのだから、ディテールは別として
おおむね真理をついているのかも知れない。

ところで、塩野七生が半生を賭けて創作した大作『ローマ人の
物語』は、かねてから読んでみたいと思っている長編のひとつ
である。が、全15巻とその量は膨大だ。
まあ、勤め人を引退してからかなあ、読むのは。


2010.08.03:ycci:count(946):[メモ/コンテンツ]
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