ぶっくぶくの部屋

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「六根清浄、身体堅固、お山は繁盛、ワッショイ、
ワッショイ」の囃し声が通り過ぎていく。
今年も「愛宕の火祭り」の日がやってきた。
大規模な祭りもいいが、小さいながらも地域で連綿と
続けられている祭りも、なかなか情緒があっていいもんだ。
田楽もちもウマイ!
久々の焼肉もウマイ!
焼酎もウマイ!
ん?、そう言えば、昨日も一昨日もビアガーデンだったなあ。
そして今週も…。
大丈夫かな、オレ…。

File No.159
『人は仕事で磨かれる』丹羽宇一郎(文春文庫 552円)
オススメ度★★★☆☆

世の中で成功者と思われている人の自伝、それも自慢話めいた
本は得手でないのだが、この人の本は一度読んでみたいと
思っていた。
なぜなら、伊藤忠の社長・会長を歴任したこの丹羽氏は、
ファミリーマートの大型買収など華々しい「攻め」の業績の
一方で、「固定資産の減損会計」をどこよりも早く導入したり、
約4000億円もの「特損処理」を断行したりと、「守り」、
いわゆる「掃除屋」としての豪腕ぶりに注目していたから。
読んでみてナルホド、闊達にして強気な経営者であることが
よくわかる。
そして、社員へのメッセージも「クリーン、オネスト、ビューティ
フル」と、きわめてシンプルにして明快だ。
オレもビジネスマンのはしくれとして、いろいろ感心させられたり、
考えさせられる部分が随所にあった。
そのひとつが、商社マンとしての人材見極めの3ポイント。
第一に、自分の意見をはっきり言える人。
第二に、お客様からの評価が高いこと。
第三に、「金の匂い」がすること。
第三のポイントは商社ならではだが、いずれ、どんな組織でも
同じような視点で見ると、人材の質というものが少しわかって
くるような気がする。
でも、そうは言っても、第一のポイントはなかなか難しい。
「自分の意見」の質がピンキリだからなあ。
また、丹羽氏は、本を読むことの重要性も次のように述べて
いる。
「太い幹を作ろうと思うなら、たえず考えながら本を読むことです。
読書でしか得られないもの、それはやっぱり論理的な思考です。
物事を掘り下げて考える力や、本質をとらえる力は、読書をすることで
養われて行きます」と。
また、「『知の衰退』の大きな要因は本を読まなくなったこと」とも。
まったく同感だなあ。
あと、「能力というものは、自分で評価するものではない。他人が
評価するものだ」という言葉も、少々苦みを伴って響く。
「私はこんなにがんばっているのに会社は正当な評価をして
くれない」と思っている人は多いだろうし、かく言うオレも
そういう感覚を持ったときが皆無だったわけではない。
自分が100点満点の仕事だと思ったら、それは他人から見れば
だいたい50、60点ぐらいだと言う。
そんな風に、謙虚になるべきかもしれないなあ。
そのほかにも、「エリートの定義」や、「ソウの仕事・ネズミの
仕事」などもたいへん示唆深かった。

全編を通じて、丹羽氏は闊達に前向きに明快に書いていて面白味も
尽きないし、自分の話は謙虚に、という姿勢がうかがえて好感が
持てた。
しかし…、できることなら、20代か30代の時に読みたかった。
サラリーマン生活も後半戦に入っている身としては、自責の念ばかり
多く、「みんなみんな、そんなにウマく行きゃ苦労しない」なんて
不遜な感想もチラリと…。


2010.08.01:ycci:count(1,118):[メモ/コンテンツ]
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