ぶっくぶくの部屋

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今年も暑い夏がやってきた。
昭和20年、太平洋戦争終戦の夏も暑かったという。
あれから65年。
戦争体験者の多くがすでに鬼籍に入られ、記憶も
薄らいできた。
戦争を知らなくても、あの国家存亡の危機、未曾有の
大混乱期をそれぞれに認識していかなければならない
と思うこのごろ…。

File No.158
『永遠の0』百田尚樹(講談社文庫 876円)
オススメ度★★★★★

実は寡聞にしてこの本の存在を知らなかった。
本屋で手にとって、「2009年最高に面白い本大賞第1位」という
オビを目にして何気に買ったもの。
そん時は、「世の中にはいろいろな賞があるもんだなあ」ぐらい
にしか思わず、どんな中身なのかさえ殆どわからなかった。
その夜、寝床で読み始めたら、面白くて眠気が吹っ飛んだ。
最近はこんなことあまりない。
だいたい30〜40分ぐらいがせいぜいで、あとは睡魔が
招くまま…。
起床のことを考えて、これが限界と思って本を閉じたけど、
心が高ぶって、なかなか眠れなかった。

この本は、主人公の健太郎が、フトしたキッカケで、自分の
血をわけた祖父の足跡をたどることから物語が始まる。
祖父の宮部久蔵は、太平洋戦争で緒戦の真珠湾攻撃から、
最後の特攻まで、戦闘機「零戦」のパイロットだった。
最後は、特攻で散華してしまったのだが、生前を知る
さまざまな人たちに話を聞くうちに、祖父の生き様や
後世に託した思いが明らかになっていく。
そして、最後には、祖父を巡るいろんな糸がひとつになって
明確に見えてくる。
実に感動的な結末だ。
これ以上、話の筋は書かない方がいいかも知れない。
読後の感想は、「現代のオレたちは、もっともっとしっかり
生きなければならない」ということに尽きた…。

評者の児玉清が「号泣をこらえきれなかった」と書いているが、
オレも第9章「カミカゼアタック」あたりからもうダメだった。

まあ、これからの夏休み、一日ぐらいは本でも読んでみようかなあ
と思っている人には、イチ押し!
オレも、あれやこれや言わないで、ど〜んと五つ★!

2010.07.25:ycci:count(970):[メモ/コンテンツ]
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