ぶっくぶくの部屋

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すごかったねえ爆弾低気圧。
昨日はちょいと用事があって宮城県にいたんだけど、
12階建ての頑丈なビルが揺れるほどだった。
あとから聞いたら、オレのいた周辺では、
風速25m超を記録したらしい。
米沢に戻って聞いたら、
「風は強かったけど、それほどでも…」
やっぱ、米沢は自然災害が少ないかもしれないなあ。

File No.130
『差別と日本人』野中広務・辛 淑玉(角川Oneテーマ21 724円)
オススメ度★★☆☆☆

久々にベタなタイトルで、ちょいはずかしいけど、
2010年の新書大賞第2位になったというんで、さっそく
買ってきた。
オレも相変わらずランキングに弱い。
みんながいいという本なら…、という主体性のなさ。
でも、こんだけ出版の洪水の中にあって、しかも、残りの
人生で読める本も限られているから、つまんない本で
時間を浪費したくない、などと自分勝手に正当化したりして…。
ところで、第1位はというと、この間とりあげた『日本辺境論』。
オレとしては、『世界は分けてわからない』もなかなか良かったが、
ランキング上位にはこなかったようだ。

この本は、元衆議院議員・自民党幹事長の野中広務と、人材育成
コンサルタントの辛淑玉が、「部落」や「在日」などの問題を
中心に、日本の差別についての対談を主に構成している。
差別問題というと、何だかタブー視されているようなところも
あるが、辛は委細かまわず、舌鋒するどく、どんどん突っ込んで
くる。
野中も、自分の出自やら、政治家としての業績などをあげながら
応じるが、辛のあまりにもスルドい突っ込みにタジタジになる
場面も多々出てくる。
オレのようなフツーの読者は、この辛の余りにも攻撃的な物言いに
少々辟易してくるかもしれない。
辛の夫(事実婚)が「なんで、そんなに躍起になるんだ」と思った
と同様の考えを抱くだろう。
でも、それだけでは新書大賞第2位にはならない。
辛は、後半のところで、周りからも家族からもけむったがられながら、
それでも「私が家族を守らなくて、誰が守ってくれるの」という
心情を吐露しはじめる。
だから、強くなければならない、理不尽なことには敢然と立ち向かわ
なければならない、という気持ちでこれまでの人生を生きてきた、
と語る辛は、きっと対談中に落涙しただろう、と思うと、
こちらも、少しジーンとしてきた。
被差別者の悲哀・悲惨さは、これぐらい言わないとフツーの人には
わからない、ということなのだろうか…。

ちょっと笑えたのは、辛が東京都知事石原慎太郎の数多の差別的
発言について、その人格とともに口を極めて酷評する場面で、
野中が「昨日、石原とメシを食った。アイツもあれでいい男なん
だから」と応じると、辛が「しんじられない、あんな人を」と
やり返すところ。
目を吊り上げる辛に、野中が「まあ、まあ」と応じているところが
目に浮かんで、なかなか面白い。
「差別」という少々ヘビーな問題について、この本は、象徴的に、
具体的に、そして対談と言うわかりやすい手法で、読む側に
考える機会を与えてくれる。

2010.03.22:ycci:count(1,022):[メモ/コンテンツ]
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