ぶっくぶくの部屋

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前の回に書き忘れたんだけど、
白石一文の直木賞受賞作品『ほかならぬ人へ』の中で
ナ、ナント、われらが米沢牛が登場してる。
主人公の宇津木明生が、女上司の東海課長のマンション
でスキヤキをご馳走になる場面。
このスキヤキの牛肉が、百グラム1500円の米沢牛という
設定。しかも、この主人公、高価な米沢牛を1kg近くも
食べ、その上ビールを5リットル飲んでる。
そして、翌日はモーレツな下痢したと…。
もったいない。ちゃんと自分の血肉にせんかい。
オレだってそんなに食ったことない(というか、食えない)。
バチあたったんだよっ!
(架空の主人公に怒ってもしかたないが…)

File No.128
『15歳の東京大空襲』半藤一利(ちくまプリマー新書 780円)
オススメ度★★☆☆☆

一昨日、3月10日は山形県の公立高校の入学試験日。
受験生諸君ご苦労さま。
あとは「人事を尽くして天命を待つ」しかない。
それと、今から65年前の3月10日は、東京大空襲と言う
世にも悲惨な無差別大量殺戮が行われた日でもある。
もちろん、オレはまだまだ生まれていない。
が、ちょうど父母が十代の学生時代だったようだ。
その悲惨さは、昨年、東京都慰霊堂に行って実感した。
このことは、前にも書いた通り。
この本は、昭和20年当時、15歳の少年だった筆者の
東京大空襲の回想・追憶である。
筆者の家は、東京下町の向島だったそうだから、空襲被害が
最も酷かった地区のひとつだ。
この日の夜、アメリカの爆撃機B29は、1670トンの
焼夷弾を雨あられとふりおとし、10万人以上もの無辜の民の
命を奪った。
その只中にいた半藤少年の体験記は、今読んでみてもリアルだ。
自身も、川に飛び込んでおぼれ、死に瀕する。
でも、業火の描写が多く出てくるが、正直言って、とてもとても
今のオレには想像を絶してしまう。
「…北の方からも南の方からもついに迫ってきた火の柱から
噴き出される火の塊が喊声を上げるようにして人々にとりつき
はじめました。…それは凄惨この上なく、まさに地獄の劫火
でした。逃げ場を失って地に身を伏せる人間は、瞬時にして、
乾燥しきったイモ俵に火がつくように燃え上がる。髪の毛は
火のついたかんな屑のようでありました…」
こんな地獄絵図のような様相は、想像つかない。
さぞ、怖かったろうに。さぞ、無念だったろうに…。
筆者も80歳。当時を実体験した人もどんどん鬼籍に入って、
語り継ぐ人が少なくなってきている。
だからこそ、オレたちは、こうした生の体験・回想を読み繋ぎ、
筆者が言うように、戦争に結びつくような微細な芽をも、ことごとく
摘み取っていかなければならないのだと思う。
そして、戦火に散った同胞の魂を、年に1、2度ぐらいは鎮める
時を持ちたいものだ。
イデオロギーや主義主張とは関係なく、日本人として…。
2010.03.12:ycci:count(1,110):[メモ/コンテンツ]
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