ぶっくぶくの部屋

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ぶっくぶくを開設してちょうど1年が経った。
始めた当初は1カ月続くかどうかだったが、
何とかかんとか1年続いた。
取り上げた本の数約110冊。
最低目標は100冊、最高目標は150冊だったから
オレとしてはまあまあかな。
でもオレ、実は活字スランプがあるのよ。
幸い昨年は大スランプはなかったけど、その前の年までは、
1〜2カ月ぐらい「なあ〜んも読みたくない病」がおきて…。
まあ、今年もしスランプがきたら、そん時は映画特集とか、
自転車特集でもすっかな。

File No.111
『ニノミヤのこと』長谷川多紀(小説新潮2008年12月号 780円)
オススメ度★★★☆☆

前回は、「第2回さくらんぼ文学新人賞」の大賞受賞作品を
読んだので、第1回目のも読んでみたくなったというワケ。
そしたら、またまた掲載誌をいただいて。
第1回だからだろうか、これはなかなか面白い。
主人公の詠子は、母と二人で暮らす小学生。
ごくフツーだけど、あまり社交的ではなく、どちらかと
言うと内向的な性格。
そこに、母のずっと年下の金髪の恋人ニノミヤが転がり
込んできて、奇妙な3人の生活が始まる。
詠子は、はじめ、ニノミヤとの距離をなかなかはかれない
でいたが、あまり干渉もせず、ベタベタもせず、大事な時は
必ず守ってくれる母の恋人に惹かれていく。
あまり口数も多くない内向的な小学生の女の子が、親子ほどの
歳の差がある男に恋焦がれていく様は、微笑ましいというより、
切ないほどだ。
そしてある日、ニノミヤは忽然と家を出て行ってしまい、また
母子二人の生活になってしまう。
時は飛んで、詠子は三十路にさしかかり、真面目で堅実な公務員
と結婚することになる。
そこにニノミヤが二十年ぶりぐらいに、全く意外な形で絡んで
くる。実は、ニノミヤは、○○○○○○だったのだ!
えっ〜!ってなカンジ。
そして、結婚相手も、真面目だけが取柄の男ではなかった。
孤独だとか、誰も自分のことを心配なんかしてくれないとか、
父親の愛情を知らないとか、人は時々疎外感や孤独感に
苛まれてしまうことがあるが、ところがどっこい、大切に
思っている人が周りに何人かきっといるよ、ということ
なのだろう。
久々に、ほのぼのとした気持ちにさせられた。
純粋で、ひたむきで、切ない恋心を久々に想い出して
みたくなった、そういうアナタにピッタリの本だよ。
この本読んで、ジワーっとくるぐらいだったら、まだだいじょうぶ
じゃないの?(ナニが?)
オレが想い出すのはキョンキョンの歌ぐらいかなあ〜。
ほら、あるじゃん、「♪せ〜つ〜な〜い、かたおもい…」って。
(ああ、われながらいい歳してナサケナイ)

えっ?読みたくても売ってないじゃん、図書館にもないし、
だって?
お貸ししますって。
オレだって、もらった本だもん。

2010.01.15:ycci:count(1,071):[メモ/コンテンツ]
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