ぶっくぶくの部屋

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雪降ったねえ〜。
ようやく本格的、みたいな。
雪降ると、ちょっとユウウツでちょっとウレシイ…、
なんかフクザツな心境だなあ。
…ということとはほとんど関係なく、今回とりあげた作品は
前から読んでみたかった。
図書館でも置いてないのでどうしようかと思ってたら、
ある方からいただいた。
チョー、ウレシー。

File No.110
『熊猫の囁き』刑 彦(小説新潮2009年12月号 820円)
オススメ度★★☆☆☆

「熊猫」と書いて「ぱんだ」、「刑彦」と書いて「けいえん」
と読む。そう、中国北京生まれで大阪在住の方。
もちろん女性。
もちろん、というのは、この作品が、女性の書き手を対象とした
「さくらんぼ文学新人賞」の第2回大賞受賞作品だから。
この文学賞の主催者は、地元山形の「さくらんぼテレビジョン」。
90枚ぐらいの短編だから、読むのが早い人だと30〜40分
ぐらいで読めてしまう。
この小説の主人公「江遥」(こうよう)は北京生まれの中国人。
高校への進学を断念し、専門学校に進んで、幼稚園教諭になる。
適齢期になって、ごく平均的な男と結婚する。
ここまでは、すべて父親が言うままに従った人生を送ってきた。
中国でも、女性は、子どものうちは父親に従い、結婚したら
夫に従い、老いたら息子に従う、という古い道徳感が
まだ残存してるらしい。
中国も、というのは、日本もまだそういう考えを持ってる人
がいるよなあ。
その平凡な夫が、突然、日本に留学するといって、親の反対を
押し切り強行、江遥も夫に従って日本へ。
やがて、夫の親戚の娘が同居するようになり、ほどなく、その
娘と夫が抜き差しならぬ不倫関係に。
それを知った江遥は、友人を頼って大阪へ。
商社の事務員や、お好み焼き屋のアルバイトをしながら、
いろんな人々の人生にふれつつ、自立へと歩みだす。
はっきり言って、ストーリーはごくフツーだし、主題もよく
ありがちなものではある。
でも、だからこそ、読む側の心にヒタヒタと素直に押し寄せて
くるものがある。
選者の一人も言ってるが、文章の間合いが良く、読みやすい。
(人の文章はアレコレ言うクセに、自分ではこなれたシンプルな
表現が出来なくて自己嫌悪に陥っているダレかとは大違い。
あっ、それオレのことか)
こういうのは、きっと多分に天性のものがあるんだろう。
「書き続けていくとさらに筆力があがる」という評にも
同感。
次作に期待して、今回は★2つ。

蛇足ながら…。
昨晩は二次会の誘惑を振り切って10時ちょい過ぎの早期帰還。
酔っ払いの中途半端な時間の帰還にちょっとウザそうな家人の
ワキで、つつましくお茶漬けをすすりながら、テレビドラマの
「曲げない女」を何気に観てた。
フンフン、フムフム、なかなか面白いじゃん。
これも、女性の自立がテーマではないのかあ。
自分の信念を貫き、スジを通す生き方、カッコイイねえ。
司法試験受かったら、きっといい弁護士になるだろうなあ…。
おっとっと、いかん、いかん、ドラマにのめりこんじまった。
これじゃあ家人を笑えんわ。
2010.01.14:ycci:count(967):[メモ/コンテンツ]
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