ぶっくぶくの部屋
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心の奥深くに
今日は1年納めの「有馬記念」。
一攫千金を願って、拝みながらレースに食い入っていた
のだが…。
レース結果はほぼ順当、しかしオレの結果は惨敗。
あ〜あ、またも寂しい年末年始、寝っころがって
本でも読んでるしかないか。
File No.102
『償い』矢口敦子(幻冬舎文庫 648円)
オススメ度★★☆☆☆
話題になった作品だから読んだ人も多いだろう。
医師だった主人公の日高は、子供の病死と妻の自殺で
将来に絶望し、埼玉の某市でホームレスと化す。
が、そこで偶然に出会ったのは、13年前に自分が
命を救った少年真人。
この真人が微妙に絡んだ殺人事件や自殺、焼死などの
不審事件が連続する。
物語は、ディテールをきっちり押さえながら適度な
スピードで展開するので面白い。
ミステリー物としての後半の盛り上がり(謎が氷解
していく過程)も申し分ない出来である。
しかし、後味があまり良くない。
得も言えぬ不気味さが心に残ってしまう。
ここまで心の奥深い闇を見せられては、それに救いを
与えるのも容易ではない。
ラストの「贖罪」が不十分な気がしてならない。
もっと救いを!
もっと光を!
そうでなきゃ、やり切れない。
奇しくも真人が言ってる
「人の肉体を殺したら罰せられるけど、人の心を殺しても
罰せられないんだとしたら、余りにも不公平」
という本書のテーマは重くて深すぎる。
2009.12.27:
ycci
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