ぶっくぶくの部屋

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オレ、近眼でメガネかけてるけど、PCと読書の賜物か、
少々度が強い。
だから、もちろん超薄型の非球面レンズを使っている。
一昔前まではスゴク高かったんだけど、今はほぼ
同じ値段で買える。
この非球面レンズがなければ、まるで牛乳瓶の底の
ようなメガネをかけなければならなかった。
これも、職人の技のおかげである。

File No.99
『町工場・スーパーなものづくり』小関智弘(ちくま文庫 700円)
オススメ度★★☆☆☆

わずか二百数十頁の文庫本なのに700円はチト高いなあ、と
ケチなことを考えつつ読み出したら、のっけの「和釘」の話から
打ちのめされた。
ふだんわれわれが使っている「洋釘」は頭が平らになっている
けど、「和釘」の頭は「の」の字型になっている。
なぜか?
「の」の字がいわばショックアブソーバーになっているとともに、
最後の収まりがピチッといくらしい。
そもそも、力まかせに釘を打ち付けるようなのは、日本の匠の
技とは言えないらしい。
この作者自身、町工場の旋盤工として50年以上のキャリアを
持つ職人。しかも、いくつもの町工場を渡り歩いてきた、言わば
「渡り職人」。
職人さんなのに、こんなにウマイ文章を書けることも、ちょっと
オドロキ。自身の小説『錆色の町』は、直木賞候補にもなった
というから、文才も相当なもんだ。
それにしても、この本で紹介されている日本の職人技はスゲェ〜。
冒頭に書いた「非球面レンズ」の研磨技術や、「プルトップ缶」
の工夫、世界に冠たる「金型技術」などなど、日常何気に接して
いる製品の数々に職人技が光っている。
「町工場はローテク」などと言うことなかれ。最先端のハイテク
を駆使している町工場だってたくさんある。
作者は言う。
「職人とはものを作る手だてを考えて、道具を工夫する人である」と。
あえて美辞麗句を使わない、等身大の職人像を淡々と言い表した
職人自身の言葉だけに説得力がある。
そして、こうした「職人技」「職人文化」が脈々と生き続けて
いることに、日本の「ものづくり」の確たる基盤が見えてくる。
2009.12.20:ycci:count(1,121):[メモ/コンテンツ]
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