ぶっくぶくの部屋

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この日本で、いま最も注目を集めている男と
言えば、やっぱり鳩山サンだろう。
永らく政権与党の座にあった自民党を野に追いやり、
自ら総理・総裁として権力の頂点に立った男。
それがなんと、祖父に続いて同族二人目の総理。
その上、曽祖父から四代続く政治家の家系で
あることも、世間にはすでに良く知られている。

File No.92
『鳩山家四代』梶原英之(祥伝社新書 780円)
オススメ度★★☆☆☆

この間、鳩山由紀夫の宇宙人語録なるものを読んで、
その内容の浅薄さや、構成のオソマツさに少しガッカリ
させられていたのだが、少しマトモなこの本で
溜飲を下げた。
言ってみれば、「口なおし」みたいなもんかナ。
ほら、よくあるじゃん、マズイものを食ったら、その後に
ウマイものを食って口なおしするって。
まあ、そんな感覚に近いかなあ。
この本は、鳩山由紀夫の曽祖父・和夫、祖父・一郎、父・威一郎、
そして由紀夫と続く、鳩山家四代の歴史を、その時々の
政治社会情勢とあわせながらひもといていったもので、
新聞記者(著者の元職)らしい客観性の高い内容になっている。
ノンフィクション作家佐野眞一のような好悪の感情をも込めて
対象を丸裸にし、その人生に匕首をつきつけるような迫力は
残念ながら、あまりない。
ウソもハッタリもないが、ワクから逸脱するような面白味も
余りない、と言ったところか。
でも、その事実だけでも充分面白いかもしれない。
まず、鳩山家四代の男たちは全員東大卒の秀才ときてる。
青少年時の反抗期もとくになく、家庭不和などまったく影も
形もない。
それはひとえに妻(母)たちが賢かったからのようだ。
一郎の妻にして威一郎の母・薫子は、元祖教育ママと言われて
いるぐらいだ。
その薫子にして、姑の春子から教育方針を受け継ぎ、その上、
女子教育機関である共立学園の経営まで引き継いだというから
並みの家系ではない。
巻末には、春子の「我が子の教育」という自叙伝の一部が
長々と収録されているが、「すごいなあ」と思う反面、
「うわあ、もういいや」と辟易して、読み飛ばしてしまった。
何事も先入観を持たずにと心がけてはいるのだが、こういう
キチッとしたオバさんのキチッとした教育論はちょっと苦手。
オレ自身が全然キチッとしてないからと、そういうものに
自然に反抗したくなるそんぴんなところがあるからかも知れない。
もうひとつ、よく鳩山総理が自身の政治信条を「友愛」という
言葉で表しているが、これは昨日今日考えたことではなく、
鳩山家に代々伝わってきたDNAのようなものであることも、
この本を読んでよくわかった。
この「友愛」精神で、わが国をより幸せな方向へと導いて
くれることを、ただただ期待するばかりである…。

2009.11.26:ycci:count(845):[メモ/コンテンツ]
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