ぶっくぶくの部屋
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陰で支える人たち
少しご無沙汰してしまって…。
公私ともに昼夜いろいろあって、バタバタしてるうちに
秋が終わっちゃった…ってカンジ?
そう言えば、先週のツール・ド・ラフランス、良かったあ!
たかが30kmとタカをくくってたら、いきなり登坂の連続で
心臓破裂するかと思ったョォ。
でも、シーズンラストランにふさわしい爽快な一日だった。
で、昨日は都内某所で上杉家ご当主邦憲様のご講演を拝聴
する機会に恵まれた。
これまた良かった!
さすが上杉宗家直系の方のお話だけあって、すごくリアルに
迫ってくる。
さらに、先ごろ読んだ本の中味と重なって、近年久々に
時間が短く感じられた講演会だった。
まあ、その後の飲み会は延々と続いたのだが…。
File No.88
『戊辰雪冤』-米沢藩士・宮島誠一郎の「明治」-
友田昌宏(講談社新書 760円)
オススメ度★★☆☆☆
「雪冤」って「せつえん」と読む。
つまり、戊辰戦争の御辱を雪(すす)ぐという意味の題名。
江戸から明治に代わるとき、わが国では、旧幕府軍と新政府軍との
間で戊辰戦争と言う内乱が繰り広げられた。
その時、旧幕府側として奥羽越列藩同盟が組織され、薩長を中心
とする新政府軍に抗戦した。
その奥羽越列藩同盟の中心的存在のひとつが、わが米沢藩なので
あるが、早々と離脱し、降伏してしまうのである。
当然のことながら、米沢藩は同盟他藩から非難され、新政府からも
冷遇されることとなる。
これを御辱(はずかしいこと・くやしいこと)として、藩士宮島
誠一郎は周旋探索方として、上杉の復権に身命を賭すという内容の
本である。
周旋探索方というのは、他藩の情報収集や政情把握、下折衝、裏工作
などをもっぱらにする、いわば裏方中の裏方。
実はオレも、この本を読むまでは、宮島誠一郎の人となりやその
功績をあまりよく知らなかった。
ところが、読んでみて、この宮島誠一郎は、幕末から明治初期に
かけての上杉家・米沢藩を陰から必死で支え続けてきた一人であった
ことがよくわかった。
でも、その言動が、同僚藩士から余り快く思われていなかったことが
少しばかり悲しい気もするのだが…。
圧巻は、米沢藩重臣だった千坂高雅の政府出仕や、上杉齊憲公の位階
昇進にかける鬼気迫る猛活動ぶり。
このふたつが、誠一郎にとっての「戊辰雪冤」の象徴であり、それを
見事に成し遂げるのである。まさに男子の本懐!
この本を読んだ直後だった昨晩の集まりに、千坂高雅と宮島誠一郎の
子孫の方が出席されると言うので、オレはもうドキドキ、ワクワク
していた。
千坂サンは出席されていたが、あまりにも取り巻きの方々が多すぎて
近寄れない。近寄ったとしても、何て話せばいいのかわからん。
宮島サンはついに来られなかった。
お越しになったとしても、近寄れなかったろうし、挨拶できたとしても
その後の言葉がつむげない。
ちょっと情けなかったが、直系の子孫の方々と会うということは、
多分、リアルな歴史に会うということと限りなく近いのではない
だろうか…、少なくともオレ的にはそうだ。
言葉や文字や写真じゃなく、実際に血を引く存在がそこにいらっしゃる
のだから。
そう考えると、戊辰戦争と言っても、そんなに大昔のことではない
ようなあ。だって、オレのひいじいちゃん・ばあちゃん、もしくは
ひいひいじいちゃん・ばあちゃんの頃だもの。
それにしても、この著者は、米沢とは縁もゆかりもない(たぶん)のに、
宮島誠一郎を研究テーマに選ぶなんて、これもまた奇特だよなあ。
一度講演でも聴いてみたいものだ。
2009.11.16:
ycci
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