ぶっくぶくの部屋

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久しぶりにロードへ。
実は、ロードバイク借りたんでどうしても乗りたかった。
旧型だけど、やっぱスピード感が違うなあ。
中秋の風景もいいねえ。
ここに住んでて良かったとつくづく思うひと時でもある。
いよいよ来月はツールド・ラ・フランス。
競技ではないとは言え、無様なことにならないように
トレーニングに励まなきゃ!

File No.80
『新忘れられた日本人』佐野眞一(毎日新聞社 1500円)
オススメ度★★★☆☆

佐野眞一の書くものには、いつも心を熱くさせられたり、
人間の奥深さを感じさせられたり、事実の圧倒的な力に
感動させられたりしてきた。
近著で言えば『甘粕正彦 乱心の曠野』。
アナキスト大杉栄殺しの主犯格の憲兵にして、満州の夜に
君臨した底知れぬ男というイメージの甘粕だったが、実は…。
その取材力のスゴさに圧倒されるとともに、真の甘粕像が
徐々に浮かび上がってくるようで、時が経つのも忘れて
読みふけった。
佐野眞一のすごいところは、これが一作や二作ではないということ。
『巨怪伝』、『旅する巨人』、『遠い山びこ』、『カリスマ』など
など数多くの労作・秀作がある。
今回上梓されたのは、その膨大な取材の中から拾い上げた
脇役・影役的な人々の記録。
いずれもが特異なキャラで数奇な運命を歩んでおり、興味が
尽きない。
中でも春日一幸はとくに面白い。
「だれ?そのひと」って思うかもしれないが、
今はなき民社党という政党の委員長を長らく務め、ダミ声と怪異な
風貌で、一目見たら忘れられないキャラのご仁。
もちろんレッキとした国会議員様。
愛人7人、一日ショートホープ15箱(150本!)、抱腹絶倒の
国会演説と自称「前衛詩」。
こんなおっちゃんが近くにいたら、毎日でも茶飲み話や酒飲み話に
押しかけるだろうなあ。どんなにワクワクすることやら。
渋沢篤二もなかなか。
また「だれ?」ってか。
渋沢栄一の息子にして渋沢敬三の親。
なんとこの篤二、放蕩が祟って栄一から廃嫡の憂き目に遭う。
でも、芸能趣味は多彩で、いずれもが玄人はだしだったと言う。
こういうおっちゃんも好きだなあ。
廃嫡されるぐらいの放蕩三昧っていったいどんだけ〜。
そのぐらいの放蕩してみたいもんだけど、廃嫡される前にわが家が
つぶれているだろう。

全編を通して感じられるのは、佐野の人間に対するあくなき関心と
洞察、そして慈愛の眼差しである。
「人間って深いし、様々だし、すごく面白い」と思わせてくれる
好著である。





2009.10.04:ycci:count(1,342):[メモ/コンテンツ]
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