ぶっくぶくの部屋

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No.66で取り上げた『自転車入門』の中で紹介されていたのが
この本。本の中で引用や紹介されている本を探して読む、という
のは、わりとオレの常套手段。
でも、本屋には無かったのよ、この本。
そんで、久々に図書館に行ったら、検索一発ビンゴ!
しかも開架図書。
さすが、市立米沢図書館。

File No.73
『こぐこぐ自転車』伊藤 礼(平凡社 1600円)
オススメ度★★★★☆

こりゃあ、自転車エッセイの名著というべきかもしれん。
著者の伊藤礼は、60歳代後半になって自転車を始め、
古稀をちょっと過ぎてからこの本を書いた。
若いなら若いなりに、歳とってもそれなりに楽しめるのが
自転車だということがよくわかるエッセイだ。
古稀を過ぎても、一日100kmもの走行をしたり、何日にも
わたるツーリングを楽しんだり、標高差700m以上の峠道を
喘ぎながら登坂したりと、そのエネルギッシュさには舌を
巻いてしまう。
わずか数年の間に自転車を6台も購入する話などは、
よくわかる。
(とは言え、オレはまだ2台しかないので、読みながら、
小径の折りたたみ式か、本格的なロードバイクが猛烈に
欲しくなってきてしょうがない…)
この本の佳境は最後の章。
同じぐらいの年齢の仲間と4人で北海道の道東を11日間
かけてツーリング(著者は自転車旅行と言ってるが)の
一部始終。
笑いあり、苦しみあり、怒りあり、アクシデントありで、
シニア4人組のまじめな珍道中の光景がありありと目に
浮かんでくるようだ。
その内容もさることながら、このご仁、相当に文章がウマイ。
それも形だけのウマさではなく、精神レベルも相当に高い。
ただ者ではないな、と思いきや、最後の最後に、自分の
父親がかの有名な小説家伊藤整であることを明かす。
ナルホド、それならこの名エッセイもわかるような気がする。
とにかく、この本には勇気と希望を与えられた。
オレも、あと20年は走れる。
そして、もっともっとペダル人生は多彩に楽しく、深く
なって行く、と。
こりゃ、完全にハマっちまったナ。

2009.09.03:ycci:count(833):[メモ/コンテンツ]
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