ぶっくぶくの部屋

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また今年も戦争に思い馳せる夏がやってきました。
広島、長崎の原爆慰霊に続き、8月15日の終戦記念日…。
多くの無辜の民までを犠牲にした太平洋戦争。
かなり重苦しいテーマですが、日本人として避けては
通れません。

File No.57
『真夏のオリオン』福井晴敏(小学館文庫 552円)
オススメ度★★☆☆☆

これも前回同様、S氏から借り受けたもの。
今公開中の映画『真夏のオリオン』の映画化原作として
書き下ろされたものです。
つまり、原本は前回取り上げた『雷撃深度十九・五』です。
大体ストーリーは似ていますが、本作は映画化原作だけあって、
だいぶ演出・脚色が施されています。
ちょっとミエミエだったり、きれい過ぎたりする部分も
あるので★はふたつになってしまいました。
が、エンターテインメントとして読むなら、
こっちの方がオススメです。
そして、前作ではわからなかったことが、ちゃんと説明
されていたりします。
そのひとつは、当時の伊号潜水艦が、なぜ海面浮上しなければ
航行できなかったか、ということ。
理由1=当然のことながら、艦内の酸素補給。
理由2=これが素人ではわかりません。伊号潜水艦のメイン
動力はディーゼルエンジンなのですが、潜行中はディーゼルを
使うわけにはいきませんから、モーターで駆動します。
つまり、浮上してディーゼルで海面航行しながらバッテリー充電
をしなければならなかったのです。
ナルホド!
興味の無い人にはどうでも良いことではありますが…。
エピローグでスチュワート艦長の孫が手紙に書いたこの言葉こそが
本作の大きなメッセージであるような気がします。
「したり顔で人生を損と得とで割り切り、その代償として
押し寄せる不安に心奪われ、『正義』や、『人としての誇り』や、
そして希望から、目を逸らそうとばかりしているのでは
ないだろうか…」
ウムムム…、心にイタい。
2009.07.15:ycci:count(927):[メモ/コンテンツ]
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