ぶっくぶくの部屋

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だいぶご無沙汰してしまって…。
『1Q84』の余韻と、ペダルと、週末ごとのヤボ用が重なって
しまいまして、ほぼ2週間ぶりのアップとなってしまいました。
この間、半分ぐらいまで読んでいた本を電車の中に忘れてしまう
という間抜けな不幸も重なってしまいまして。
忘れた本の題名も忘れてしまったというオソマツさ。
確か、宮部みゆきの本だったと思いますが…、まあ、拾った方、
どうぞお読み下さい。

File No.54
『誰も書けなかった石原慎太郎』佐野眞一(講談社文庫 943円)
オススメ度★★★☆☆

石原慎太郎って東京都知事のアノ方です。
今は、東京オリンピック誘致でがんばっておられるようですね。
芥川賞受賞作家にして、元国務大臣(国会議員)、そして
国民的スターだった石原裕次郎の兄。
長身にして端正な容姿、歯に衣きせぬ物言い。
それが、ある時は爽快だったり、痛快だったりしたんですが、
近年はちょっと暴言が過ぎるようなところがありますねえ。
その慎太郎の実像を、父・潔の時代からさかのぼって追って
いくのが同書の内容です。
石原家は四国の八幡浜をルーツとして、その後、神戸、小樽、
神奈川県逗子、田園調布と、その居を移していきます。
中でも、小樽時代の話は面白いですよ。
また著者は、父・潔の若い頃の赴任地である旧樺太にも行って
るんです。何と言う取材力!というか執念。
何だか、慎太郎自身より、父・潔の豪放な人生が数倍面白いし、
弟・裕次郎の才能やオーラ、生き様の方が、ずっと魅力的に
思えるのはワタシばかりでしょうか?
いいえ、著者も再三指摘していますが、慎太郎の根底には、
父と弟に対する拭いがたいコンプレックスがあるのだと。
いずれにしても、慎太郎も、もはや老境、かつてのキレや
危うさは影をひそめて、短気で浅薄で、自己中心的で、
エキセントリックな面ばかりが強調されてきているような
気がします。
一世を風靡した慎太郎も、もはや落陽の時期を迎えている
のでしょうか。

2009.06.21:ycci:count(728):[メモ/コンテンツ]
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