ぶっくぶくの部屋

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立花隆の本には私も何度も衝撃や感動や驚嘆を覚えました。
宇宙・臨死体験・田中角栄・音楽・生物学・医療・ロボット工学
などなど、その関心の広さと深さはナミじゃあありません。
それらの「知」を生み出した現場に寄り添っていた秘書日記ですから、
それこそ面白くて、一気に読めます。

File No.46
『立花隆秘書日記』佐々木千賀子(ポプラ社 1500円)
オススメ度★★☆☆☆

以前、立花隆が何かの著書で、ある分野の専門家にインタヴューするなら、
その専門書やその人の著書などを高さ1メートル分ぐらいは読んで準備
する、と書いていたのを覚えています。
さすが知の巨人。インタヴューひとつでさえ、仕込み方がまるで違い
ます。
その知の現場たるや、まさに壮絶の一語です。
通称「ネコビル」と呼ばれる地下2階地上3階+ペントハウスの書斎兼
仕事場に溢れんばかりの書物と資料が詰め込まれ、日々その整理や収集、
まとめ、諸雑事に追われる秘書の仕事もカコクです。
私なんかも人一倍「整理整頓」が苦手な上に、人二倍無精なもんですから、
こんな秘書がいたらすごく快適だろうなって思います。
もっとも、秘書を持つような身分になることなど、私にとっては夢のまた
夢ではありますが…。
この佐々木千賀子さんは、ただの秘書ではありません。
ボス(立花隆)の取り組みテーマを熟知したサポート、好き嫌いや性格
を知悉したフォローに加え、自らも知を愛し、オペラをこよなく愛する
精神性豊かな女性です。
とくに、立花隆が東京大学の客員教授を務めた3年間の彼女と学生の
交流は、興味深いものがありました。任期が終わったとき、ボスと彼女
が共有した思い「大人ってつまらない」は、私も深くうなずいてしまい
ました。
可能性とパワーに満ち満ちた青春時代ってほんとうにかけがえのない
ものですね(気付くのが遅すぎ!)
でもこの本、最後の最後で少しケチを付けてしまいました。
それは、著者がボス批判をしてしまっていること。
一番身近にいた人間の批判というのはツライですねえ。
なんせ、もっともなことなんですから。
ワタシ的には、もっと別な言い方があるんじゃなかったのかって思いますよ。
批判と言うのは、理解と愛情があってこそなんでしょうが、残念ながら
彼女の文章からそれは充分に伝わってきませんでした。
面白かっただけに、ちょっとザンネ〜ン。

2009.05.09:ycci:count(884):[メモ/コンテンツ]
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