ぶっくぶくの部屋

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国会議員による秘書給与の流用事件、覚えてますか?
この事件で有罪となり、刑務所に服役したのが、この本の
著者山本譲司(元衆議院議員)です。
最初、著者のプロフィールを読んだときは「え〜」って
思いましたが、これがナント、ナント手ごたえのある内容
でしたよ。

File No.44
『累犯障害者』山本譲司(新潮文庫 476円)
オススメ度★★★☆☆

題名の「累犯障害者」とは、犯罪を繰り返し重ねる知的障害・
精神障害・身体障害などがある人たちのこと。
著者は、自ら塀の中にある時、この事実を知り、出所後もこの
問題を追い続け、贖罪のように福祉の充実に奔走しています。
本書で紹介されているのはオドロクべき事例の数々です。
例えば、下関駅放火事件で逮捕された74歳の男は、放火を
繰り返し、成人してからの54年のうち50年を刑務所で暮らし、
「刑務所が安住の地」とも言ってます。
軽度とは言え、知的障害を持つ人間を、家族も社会も受け入れ
ないという事実。
犯罪者が悪い、行政が悪い、社会環境が悪い、とは一概に言えない
「闇」の深さ。
各事例は、私も「まさか、そんな!」と思うようなことばかり
でした。第三章や第四章の女性の事例は、オドロキを通り越して
切なくなってしまいました。
この歳になって「人間のことをあまりわかった気になるなよ」
という警鐘がガンガン打ち鳴らされたような気分です。
闇は確かに深い。
しかし、著者はそれに目を背けずに、自らヘルパーとして
障害者と関わり続け、福祉行政に積極的に働きかけています。
もしかすると、そのまま政治家であり続けるより、福祉活動家
としての方が、世のため人のために大いに役立っているのかも
しれません。
2009.05.04:ycci:count(871):[メモ/コンテンツ]
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