ぶっくぶくの部屋

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近年は「新書」ばやりで…。
立ち読みした「新書大賞」なる本に、最近(今年度?)のランキング
が載っていました。うわあ〜、ベスト50にランクインしている新書
でも読んでないものがけっこうあるんです、これが。
ぶっくぶくとしてはちょっとばかりショックだったりして…。
さっそく5、6冊買ってきて読み始めました。
まずは、栄えある第1位に輝いた新書から。

File No.24
『ルポ貧困大国アメリカ』堤 未果(岩波新書 700円) 
オススメ度 ★★☆☆☆

昨年読んだ『アフリカ・レポート』と同種の面白さでしたね。
つまり、外国を飛び歩く才覚も金も時間も度胸もなく、外人と話す
ツテも機会も語学力もない私にとって、諸外国の事情通やジャーナ
リストらが書くこの種の本には、すごく興味と感心がわくのです。
何せ、自ら体験できないことなのですから。
読むほどにオドロキですね、アメリカの現状は。
貧困が生む「肥満」、「難民」、医療で瓦解する家計、学資ローンで
未来を閉ざされる学生、過度に進んだ民営化を象徴するビジネスと
しての戦争など、アメリカが抱える貧困の深刻さをみごとにルポル
タージュしていて、最後まで興味が途切れることなく読み通せます。
例えば、なぜ貧困が肥満を生むのか?
それは、お金が無くてジャンクフードばかり食べるしかないから。
なぜ、妊婦は日帰り出産なのか?
それは、医療費が高すぎてとても入院なんてできないから。
さらにオドロクべきことは、貧困から抜け出す方法は、もはや兵士と
なって、あるいは戦争専門の派遣会社の派遣社員になって戦場に
赴くしかないという事実。そこには、イデオロギーもポリシーも
愛国心もなく、ただ食わんがための命がけ。
かつては、「アメリカンドリーム」に象徴される自由と希望と夢が
あふれるようなイメージの国だったのに…。
まあ、これもひとつの面であり、一方では、天文学的なギャラを
とっている大企業のCEOやプロスポーツ選手なども存在するわけで、
ごく少数の人にアメリカンドリームはまだ生きているのでしょう。
でも、彼我の格差はとてつもなく広がっていることを感じさせます。
今もってアメリカは日本の5〜10年先を行っている(社会現象も
含めて)と良く言われていますから、日本も明日は我が身なのかも
しれません。
久々の★3つ、と思ったのですが、最後の方で、ちょっとイデオロギー
っぽい内容が気になりダウン。

2009.03.16:ycci:count(751):[メモ/コンテンツ]
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