ぶっくぶくの部屋

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3月10日は何の日?と問われたら「公立高校の入試。
あとは…?」とこたえる人が多いのではないでしょうか。
私もその一人、でした。
それが、以前にも書いた、東京都慰霊堂に行ってから
考えが少し変わりました。
その帰り道で買ったのがこの本で、3月10日に読もうと
決めていました。

File No.22
『空爆の歴史-終わらない大量虐殺』荒井信一(岩波新書 780円) 
オススメ度 ★☆☆☆☆

空爆、いわゆる飛行機からの爆弾攻撃の最初は、1911年の
イタリア・トルコ戦争におけるイタリア機からの手榴弾投下だった
とのことですから、およそ100年の歴史ということになります。
その間、むごたらしいまでの大量殺戮を繰り返してきたことを
つぶさに検証し、その不法性・非道性を、きわめて客観的に主張
しているのが同書の内容です。
空爆といえば、とくに、第二次世界大戦におけるドイツ、日本、
朝鮮戦争における北朝鮮、ベトナム戦争における北ベトナムなど
が甚大な被害を蒙りました。もちろん、日本も加害者側の時も
あったわけで…。
さて3月10日。ご存知の方もいると思いますが、1945年の
同月同日は「東京大空襲」に見舞われ、史上まれにみる10万人
という死者を出しました。
東京都慰霊堂には、B29が投下した大量の焼夷弾によって紅蓮の
炎に包まれる下町や、一面焼け野原になった東京の街などを彷彿
とさせるような資料・絵画・写真などが展示されています。
同年8月には、広島・長崎に人類史上初の原爆が投下されました。
これについて筆者は、
「投下決定の重み-数十万の人々を殺すことに対する畏怖を
アメリカの最高指導者たちが、どれだけ身にしみて感じていたか、
大きな疑問を感じざるをえない。広島・長崎への原爆投下の結果、
1945年が終わるまでに死んだ被爆者は22万人前後と推定
されている。世界の軍事史上でもまれな大殺戮である」
と、同書中唯一と言っていいほど、筆を熱くして糾弾しています。
戦争体験者の多くが鬼籍に入ろうとしている今、こうした本を
通じてその悲惨さ・愚かさを次世代である私たちが自身に刷り
込んでいかなければならない、と再認識しました。
決して気軽に読める内容ではないので、オススメ度は★ひとつ
ですが、読む意味は大きいと思います。
私としてはもうひとつ収穫がありました。
それは、東京都慰霊堂に行ったとき、「何で関東大震災と
東京大空襲が一緒になっているんだろう?」「このモニュメント
は何を意味しているんだろう?}という疑問が解けたことです。
それはまた別の機会にでも。
2009.03.15:ycci:count(619):[メモ/コンテンツ]
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