ぶっくぶくの部屋

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先日、第140回の芥川賞の発表がありました。
いつもこのニュースが出るたびに、読んでみようか、
という気にはなるのですが、何度も期待を裏切られた
せいか、ここ数年は、とんとご無沙汰でした。
が、意を決して読んだら、まあ、なかなかです。

File No.13
『ポトスライムの舟』津村記久子(講談社 1,365円) 
オススメ度 ★☆☆☆☆

29歳独身女性にして派遣社員のナガセが主人公。
舞台は奈良。
ナガセは、工場の派遣社員+カフェのアルバイト+
高齢者向パソコン教室の講師+データ入力の内職という
薄給の働き尽くめでワーキングプア。
ある日、自分の派遣社員としての年収にほぼ匹敵する
ような世界一周の旅に憑かれ、お金を貯めだしますが…。
同性の同級生3人との交友を織り交ぜながらの日常を
淡々となぞっています。
何の変哲もないのですが、なぜか普遍性や、心の動きや
心の向きが自然に感じられる不思議な小説です。
それは、誇張もない、気負いもない、嘘もないからで、
作者の人柄がにじみ出ているようです。
でも、作風も、主人公の女性も内向的すぎて、私には
ちょっとなあってカンジですかね。
唯一驚いたのは、いつも超辛口批評の石原慎太郎選考
委員が、ひねくれた言い回しながらも同作の受賞を是認
していることでした。すごく珍しいことなので、読む価値
あるかもしれませんよ。
2009.02.24:ycci:count(587):[メモ/コンテンツ]
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