天地人

▼雪かき最高潮

今日はまずまずの天気だったので、まさに雪かき・雪下ろし
サンデー。あの家・この家、あの屋根・この屋根。
米沢の人たちは、やっぱり働き者だ。
(必要に迫られて、ということもあるんだろうが)
オレも惰眠を貪ってはいられない、とばかりに朝6時から
出動。その後も11時、1時と合計3回出動し汗だく。
気持ちの満足感とはウラハラに、余りの雪でどこ片付けたか
よくわからない。
しゃくにさわるので、この大雪の情景を写メに撮って
愛媛と東京の友人に送ってやった。
びっくらこいてたなあ〜、ハハハ…。
へ〜んだ、どんなもんだい。こんないっぱい雪あんだぜえ!
……ハア〜ア。

File No.294
『怪優伝』佐野眞一(講談社 1700円)
オススメ度★★★☆☆

佐野眞一の本なら単行本でも高くない、とオレは常々思っている。
だから、この本を見つけた時もすぐ買った。
同氏の『旅する巨人』や『乱心の曠野』ほどじゃないけど、この本の
クオリティも期待を裏切るものではなかった。

この本は、俳優の三国連太郎をモチーフにしたもの。
三国はすでに88歳の高齢ながら、いまだ現役の俳優として活躍している。
オレたちには、『釣りバカ日誌』が最もお馴染みかも知れないが、
実は重量感がある作品での好演が今の三国を創ってきた。
しかも、鬼気迫るような役柄への取り組みによって。
この本の中心は、三国自ら選んだ出演作のベスト10を一緒に観賞
しながら、その時その時の心持や取り組みスタンスのようなものを
回想し、なぞっていく第二部。
因みに、三国が挙げたベスト10は以下の通り。
 飢餓海峡
 にっぽん泥棒物語
 本日休診
 ビルマの竪琴(1956年作品)
 異母兄弟
 夜の鼓
 襤褸の旗
 復讐するは我にあり
 利休
 息子
恥ずかしながら、この中でオレが観たことあるのは『息子』の1本だけ。
しかし、観たことがない読者のために、いずれもあらすじが書いてあり、
おおよそのストーリーがわかる。
いずれ何本か観てみたいと思う。

佐野が三国を取り上げようとする気になったのは、死ぬまで演じ続けよう
とする三国の「業」の深さや、華やかさとは裏腹な職人のような律義さ、
そして常につきまとう孤影、というところにある。
スキャンダラスでエキセントリックな俳優とみられがちな三国の
真の姿の一端や、俳優としての実績がよくわかる一冊でもある。

下世話なことかも知れないが、俳優の佐藤浩市が三国の息子であることは
ご存じの通り。しかも三国にとっては三番目の妻との間にできた子。
この親子は共演したこともあるが、公私において殆ど言葉を交さない
そうだ。
そして三国は息子の俳優としての力を殆ど認めていない。
それが佐藤浩市をいっそういきり立たせている。
だけど、現・三国夫人が言ってるように、三国・佐藤ともに気分屋で
チョー気難しい人間なんだそうだ。血は争えない、ということか。

いずれにしても、「人生すっぴん」と恬淡とした境地に達している
この怪優のこれからの人生に目が離せない。

2012.01.15:ycci

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