天地人

▼今季初積雪

結構降ったねえ〜。
昨日来の雪は終夜やまず、今朝起きたら一面冬景色。
除雪車も今季初出動したようだ。
家の前にはモッコリと雪の小山。
自転車がシーズンオフになって1カ月余、身体も
タルみはじめたことだし、どうれ一丁やったるか、と
勇躍雪かきへ。
む、ちょいとまて。
数年前の初積雪にして大雪の時、余りにも張り切り過ぎて、
スノーダンプ一発目にギックリ腰。
何を血迷ったか、その後温泉に行って長風呂し、
ちょいとばかり寝たら、起き上がれなくなった。
以後3日間は夜もオチオチ眠れず、予後もなかなか全快とは
いかず、結局シーズンを棒に振った?苦い経験が甦る。
で、ここは、慎重に、ゆっくり、と自分自身に言い聞かせて、
たっぷり1時間以上もかけて雪かきをした。
汗びっしょりだけど、シャワー浴びて爽快、朝めしもウマイ!
冬の日々は毎日かくありたいものだが、いつまで続くことやら…。

File No.286
『謎とき平清盛』本郷和人(文春新書 750円)
オススメ度★★★☆☆

ご存じ、来年のNHK大河ドラマは「平清盛」。
恒例になったドラマが始まる前の予習シリーズということで、
この本を買ってみた。
ちょいと題名がイマイチだったが、中味はなんのなんの、
歴史学(歴史の見かた、捉え方、考え方)の基本を押さえ、
その時代の状況や、平清盛の人物像、そして平家の時代が
どんな意味や意義があったのかについて、きわめて論理的に
述べている良書である。
読んでみて初めて知ったが、この著者は大河ドラマの時代考証を
担当した一人。
だから、自身の立ち位置の整理と言うこともあったのだろう、
大河ドラマの本質は時代劇であり、あくまで物語であり、
フィクションなのだ、ときっぱりと言い切っている。
なるほど、そういうことだったら明快だ。
というのも、ここ数年ずっと初回を観て失望して、以後殆ど
観ないということが続いている。
それは、ヘタに「予習」なんぞをしてるものだから、史実に
反していたり、有り得ない演出だったりすると、興味関心が
すうっと引いてしまうのである。
でも、物語だったらそんな気にすることないなあ。

今回も、平清盛の出自を白河上皇の落胤にすると言う。
その方がよりドラマ的だからであろうが、著者にしてみれば、
それは、清盛がラーメンをすすっているのと同じような
レベルの説だと言う。
しかし、完全否定も出来ないところに歴史学の難しさがあるとも。
「清盛は白河上皇の落胤だ」というのは簡単だけど、
「清盛は白河上皇の落胤ではない」ことを証明するのは至難の技。
歴史に実に色々な説が生まれる所以でもある。

さて、この本の一番の粋、清盛の存在意義。
それは、長い間天皇(および上皇)と貴族が中心になって
「権門体制」を築いて国を司ってきたシステムの中枢を、
武家が武力で奪いとり、軍も政も掌握していくという
武家権門体制のパイオニアになった、ということではないだろうか。
その後、鎌倉幕府・室町幕府・江戸幕府と武家統治社会が長く
続く先駆けとなったのである。

圧倒的武力を持ちながらも、それを性急に駆使することなく、
周りの状況を冷静に判断しつつ、抑制の利いた言動で
武家統治社会のシステムを築きあげて行く清盛の理性・知性
がうかがえる好著でもある。
蛇足ながら…
源頼朝を処刑しないで伊豆に流したことが、清盛の大きな失敗で、
後の平家滅亡につながった、とよく言われるが、なぜ処刑しなかったのか、
なぜ頼朝が東国で再起できたのか、もこの本を読めばよくわかる。

2011.12.17:ycci

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