天地人

▼坂本桂一2連発

先週、坂本桂一氏の講演を聴く機会があって、その話の
内容に感銘を受けた。
「坂本桂一ってだれ?」というぐらいオレはIT業界に疎く、
「聴衆集まるのかなあ〜」と集客を不安視していたが…、
話を聴けば聴くほど、これは、これはなかなかだぞって思いに。
聴衆の殆どを占める若き経営者・ビジネスマンたちには、
きっと大きな刺激になったに違いない。
オレも刺激されたが、いかんせん10年、いや20年遅かった
かなあ〜。

File No.277
『坂本桂一の成功力』坂本桂一(PHP研究所 1500円)
オススメ度★★★☆☆

講演が終わったその日からこの本を探し始めた。
なぜなら、講演内容がこの本に基づいているとのことだったから、
もう一度氏の謦咳に接したいという思いが強くて。
だが、
市内の本屋・古本屋にはない。
山形の大型書店にもない。
市立図書館にもない。
県立図書館にもない。
ネットで注文したが、出版社でも在庫なし。
こりゃダメかと殆ど諦めかけてた時に、ある知人から貸し出しの
お申し出があり、ホント嬉しかった。
「あの講演は良かった!」とあちこち吹聴してたのが耳に入った
のだろうか。
さっそく心して読み始めた。
講演同様になかなか示唆に富んだ内容である。

氏も月に100〜200冊の本を読むそうだ。
雑誌や週刊誌、マンガなども含めてだそうだが、超多忙な人に
しては驚異的な読書量である。
「よく時間がありますね」と言われるそうだが、逆にたいして
本も読まないで平気で仕事をしてられる人の気が知れない、
と言う。
オレも、いろんな意味で同感だ。
だけど、物事(事業)を始める際には、あまり調べ過ぎたり、
難しい本を読み過ぎたりばかりでは、当然のことながら何も
起こりようがない。
やるかやらないか、即断即決。やると決めたら、クールな頭で
彼我のレベルを知り、スレッショルドを超えるための必死の努力
をしなければならないと言っている。
自身の行動・言動・思考に反映させてこその読書なのだ。

講演では話さなかった未来予想にも興味深い内容が盛られている。
近い将来のパソコンは、OSを必要としない、シンクライアント
システムが主流になるだろうとのこと。
そうすると、パソコンの動作環境は劇的に軽くなり、概念そのものが
変わっていくだろうと予測している。
ブロードバンド化が加速し、ブルーレイディスクと言えども、その先の
未来はない…。
また、動画の中味を検索できるようなドラスティックなイノベーション
も、そう遠くないうちに実現するだろうとも。

氏の論理展開には、多少異論もあるけど、総じて刺激に満ち満ちている。
ビジネスに打って出て勝とうとする闘志と意欲のある人は
読んで絶対損はない、と思う。


File No.278
『学者になるか、起業家になるか』
城戸淳二・坂本桂一(PHP新書 720円)
オススメ度★★☆☆☆

これから全国の本屋に出廻ろうとしている出来たてホヤホヤの本を
いただいた。
いただいた、と言っても別に個人的にではない。
だから、読み終えたらご関係のご希望の方にお回ししようと思う。
この本は、件の坂本桂一氏と有機ELの第一人者・城戸淳二教授の
対談のような形式になっていて、それを志村勉教授がコーディネート
している。
この三人の共通点は、いずれも山形大学の先生であるということ。
そう、坂本サンは山形大学の客員教授も務めていたのだった。
それすら知らなかったオレは、氏との二三言の会話で、
「山形・米沢は初めてですか?」とやっちまった。
かなり怪訝そうな顔をされてたなあ〜。
笑って許して。

で、この本、坂本サンは得意のスレッショルド論を展開。城戸センセイ
も自分の生い立ちなどを随所に話されてて、なかなか面白い。
「三浪から大学教授」というキャッチフレーズも城戸センセイらしい。
そう言えば、二人とも関西人だよなあ。
城戸センセイは大阪、坂本サンは京都…。
両者に共通してるのは、関西出身と言うことだけでなく、それぞれの
スレッショルドを超えてるか、あるいは超えようとしている人間で
あるということ。
だから、当然のことながら含蓄が深い。

まあ、こういう本を何冊も読んでも、行動がなければ何の役にも
立たないということ、かな。


2011.11.20:ycci

HOME

(C)

powered by samidare