天地人

▼恨めしい雨空

今週は雨・雨・雨だったなあ。
雨の日も嫌いじゃないけど、こう続くと欲求不満気味。
今日も「合同練習日」だったんだけど、ポツポツと
煮え切らないような小雨が降り続いていて、ついに断念。
VBVで20km走るのはちょいとツラい。
さらにカッパ着てまではナァ…。
てなワケで仕方なくミーティングと相成ったけど、
やっぱり、いまいち盛り上がらんなあ〜。

File No.242
『大人の流儀』伊集院 静(講談社 933円)
オススメ度★★☆☆☆

オレ、エッセイみたいなのは余り好んでは読まない。
週刊誌や月刊誌に連載されたものを編んだ「グリコ本」も余り
好きではない。
伊集院静という作家の作品もまともに読んだことがない。

この三つに全部当てはまるこの本をなんで買ったんだろう。
それは、カバーの著者の面構えが良かったのと、こういう男の
硬派な考えをちょっとばかり知りたくなったから。
その「ねらい」は、あながち外れではなかった。

「町内、同じ地域、知り合いの店で買い物することは損得だけで
選択してはいけないのではないか。共生ということは大切なものだと
私は考える」
「人間一人が、この世を生き抜いていこうとすると、他人には
話せぬ事情をかかえるものだ。他人のかかえる事情は、当人以外の
人には想像がつかぬものがあると私は考えている」
「食≠ノ関しては、いかなる名文家が書いても、そこには卑しさが
つきまとう。服装≠ワたはお洒落≠ノついて書くと、軽薄さが
漂う」
などなど、共感・同感するところが多い。
また、「人生というものは総じて割には合わないものだ。そういう
ことを平然と受け入れて生きるのが大人の男というものだ」
その通り!
最近つくづくそう感じる。
話したりしていると、そういうことは大体わかるもんだ。
オレ?
自分では「大人の男」だと思ってんだけど、まだまだかなあ。
著者も書いてるけど、
「目を覚ましたら常夏の島で若い美女たちに囲まれていて、
長い眠りでしたね、なんて言われて…」
みたいな妄想をいっぱ〜い描いてるもんなあ〜。
以前ほどではないにしろ、まだ食い物にちょっと執着あるしなあ〜。
割に合わないことがあると顔に出たりするからなあ〜。
「大人の男」への道はもう少しあるのかも知れない。

で、この本、巻末に思いがけない文が載っている。
それは、彼の妻だった夏目雅子との出会いから死別までを初めて
明かしたもの。
淡々と綴っているだけに涙が滲んでくるようだ。
ここを読むだけでも、この本の価値はありそうだ。

内容としては四つ★クラスなんだが、やっぱ作家は「作品」だけで
勝負するものという意固地な考えがあって…。



2011.06.25:ycci

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