天地人

▼爽快感ふたたび

およそ半年ぶりにVBUに乗って輪行に出た。
五月の爽やかな風を切って郊外の田園地帯を走るのは
何とも言えず気持が良い。
VBT(クロスバイク)やVBV(街乗りMTB)もいいけど、
時速20〜40kmで走れるロードバイクのスピード感は
格別なものがある。
今日はシーズン初ということもあって、20kmちょっとの
軽いウォーミングアップにとどめたが、来週か再来週には、
40〜50kmにチャレンジしてみようと思う。
そして今年こそ、100kmの走破を!
まあ、その前に減量と減煙が先かな…。

File No.230
『語られなかった皇族たちの真実』竹田恒泰(小学館文庫 619円)
オススメ度★★★☆☆

この間、竹田恒泰氏の『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』
がすごく良かったので(確か久々の五つ★)、同氏の代表的著作
である同書をさっそく買ってきて読んでみた。
ある人の著作が面白いと、立て続けに同じ人が書いたものを読む
クセがある。
そしてひと通り読んでしまうと飽きて、再び同じ人の著作を手にする
ことが殆どなくなる。
いま大ウケの作家・東野圭吾もしかり。
10冊近く立て続けに読んだが、パタっと読まなくなった。
でも、最近気まぐれで買ってみた本があるので、近く読んでみる
ことにするが…。
浅田次郎もしかりだが、同氏のシリーズ著作で楽しみにしてるもの
があって。それは『天切り松闇がたり』。
これは面白い。
夜、テレビドラマやバラエティなどを観る時間があったら、ぜひこの
本を読むことをオススメする。
稀代のストーリーテラーの真骨頂というカンジ。

で、今回の本。
これもなかなか面白い。
著者自身が旧宮家である竹田家の出身だから、内情にも通じていて
すこぶる興味深い。
題名を曲解すると、皇室や宮家の暴露本のようなイメージを与えるが、
まったくさにあらず。
主題は、男系のみによって継承されてきた万世一系の「すめらぎ」の
重さと尊さ、というところにある。
男系のみ?女性天皇も歴史上に何人もいるではないか。と思う人々も
多いだろう。かく言うオレも、この本を読む前まではそうだった。
しかし、女性天皇はあくまで男系の子であり、その後に続く男系男子
への繋ぎ役だったようだ。
つまり、男から男にしか受け継がれないY遺伝子を皇統の基本原則
としているということ。
だから、小泉政権の時に、現在の皇太子と秋篠宮に男児がいなくて、
皇統の危機とばかりに皇室典範改定の検討に入った。
ほどなくして、秋篠宮に男の子が生まれたため、沙汰止みとなった
経緯がある。
なぜ男系でなければならないのか。
それは、2000年以上もの長きにわたり、万世一系を男系のみで
継承してきた重み、という以外にない。
同じ皇統が2000年以上も続いているというのは、世界でも
まったく例がないこと。
日本のすめらぎは世界一なのだ。
こう書くと、なんだか右翼のように思われるかも知れないが、オレ
は余り思想的な偏りはないと思っている。
ただ、この連綿と続く皇統の歴史に畏敬の念をいだき、誇りに
思うということだけ。
皇統に連なる宮家もかつては14家もあった。
それは、天皇を輔弼することと「血のスペア」としての大事な役目
があった。天皇に男児がいないと、宮家の男系男子から皇位に就いた。
そういう歴史的な役目を担ってきた宮家も、戦後GHQの施策により、
直宮三家(昭和天皇の弟宮)を除き、すべて臣籍降下、つまり一般の
人となってしまった。
臣籍降下の後の宮家の悲喜こもごもも書かれており、興味深い。
因みに、品川駅前の旧ホテルパシフィック、高輪プリンスホテル、
新高輪プリンスホテルなどはすべて旧宮家の邸宅跡地である。
高輪プリンスホテルや旧赤坂プリンスホテルにある洋館は、
もともと宮家の邸宅だったのだ。
このへんの事情は、猪瀬直樹の『ミカドの肖像』に詳しく書かれている。
同書も興趣尽きない内容だ。
この頃の猪瀬氏の書くものは好きだったのだが、近年、口角泡を飛ばす
ような話し方をしている氏をみると、いささかゲンナリ…。



2011.05.08:ycci

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