天地人

▼今年も踏ん張れず

ついに風邪を引いた。
夏場に自転車で鍛えていたので、少しばかり自信みたいのが
あったのだが、ついに踏ん張れなかった。
数日前に、少しノドがイガイガするので、イソジンで何回も
うがいしたり、ビタミンCを意識して摂ったり、水際で懸命に
食い止めようとしたのだが…。
そうそう、今年こそ早朝乾布摩擦をして免疫力を高めようと
密かにおもってもいたハズ。
でも、実際に零下の朝を迎えると、とてもとても。
まあ、せめて風邪ひきは2回ぐらいにとどめるのが関の山か。
(ということは、すでにもう1回引くことを覚悟してんのか、オレ?)

File No.208
『ルームメイト』今邑 彩(中公文庫 781円)
オススメ度★★★★☆

前回の『東京島』の前に読みかけていたのがこの本。
確か、誰かの書評を読んで買ったような記憶がある。
「まんまと騙されました」とオビに誰かの感想が載っていたが、
まさにそんな感じ。
今までにないような結末のミステリーだ。

この物語は、地方から上京してきた大学生の萩尾春海が、ひょんな
ことから、同じ年頃の西村麗子とルームメイトになることから
始まる。
西村麗子が、ある日ナゾの失踪をとげることからミステリーが
展開し始める。
英語学校の外人校長を皮切りに、次々と殺人事件が起きる。
ナゾがナゾを呼びながら物語は展開していくのだが、だんだん
犯人像に焦点が合っていく。
それもそのハズ、登場人物がさほど多くないので、だいたい
予想がついてくる。
はは〜ん、こいつなのか…と思いきや、ある記録テープから筋書きが
ガラリと変わってしまう。
こんなのアリなの?

ミステリーだから、あらすじは書けないが、この物語のテーマの
ヒントは、ダニエル・キースのベストセラー『24人のビリーミリガン』。
読んだ人はこれだけでピンとくるだろう。
オレも読んだけど、ほぼ実話だけに少し気持ち悪かった憶えがある。
一方、こちらのミステリーは創作ものだけに、もうひとつ仕掛けが
重なっている。

そして、最後はハッピーエンドに終わる…、と思いきや、
「文庫版はここまでにしたが、原作は本当はバッドエンド。それを
あえて読みたい方はどうぞ」みたいな著者の断り書きがあって、
まるで付録のようにモノローグ4がある。
こんなこと言われたら、みんな読んじゃうよなあ。
オレも迷わず読み進めて。
そしたら…
こ、こんなことって!

ひさびさに、ミステリー読んで時間を忘れるような感覚に浸りたい
アナタ、とくに女性の方にオススメだ。



2011.01.14:ycci

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