天地人

▼100円本その2

「十三人の刺客」を観てきた。
スクリーンで映画を観るのは数か月ぶり。
混むとイヤだなあって思いながら劇場内に入ると、
ん?…
予告がすでに始まっているのに、お客は1組。
まあ、オレたち入れて2組4人。
なんで?…
人気ないのかあ、この映画。
オープニングシーンは大迫力。これは、これは、と
観たけど……。
結局、家人は正視に耐えず出てっちまうし、オレは
ハラ減ってイライラしてくるし、もう!

File No.182
『社長を出せ! 実録クレームとの死闘』
川田茂雄(宝島社文庫 648円)
オススメ度★☆☆☆☆

先日買った100円本の第2弾。
まあ、100円でなければ、このテの本をオレはまず買わない。
内容は題名が示すとおり、某大手カメラメーカーに勤務していた
著者が、実際に経験したクレーム処理の実例を紹介しながら、
それを類型化していったり、変遷史みたいなものをたどり、
「クレーム」に関する意義付けをしていくといったもの。
それでも、自分が経験した実例を丹念に思い出しながら書いてる
第1章はそこそこ面白かった。
随所に挿入されているマンガも、イメージを補完する役目を
果たしており、そこそこいい編集じゃないかと思ったのだが…。
第2章は、クレーマーを類型化している。
まあ、意欲的な試みだと自分では思って書いてるのだろうが、
いかんせんムリっぽいし、よく違いがわからん。
そして、著者はクレーム処理に失敗したことはないと豪語し、
自分の対応策が結果的にすべて功を奏し、成功だったと書いてる
が、それがオレとしてはシラけてしまう。
実際にこういう話をジカに聞いていたら、まず間違いなく
「ホントかよ〜オマエ、美化してんじゃないよ」って
チャチ入れるだろう。
かなり努力したようなことも書いてるが、そんなことは程度の
差はあれど、たいていの人がやってること。
仕事で汗流したり、涙流したり、骨身削ったりしているのは、
オマエだけじゃないゾ。
さらに、カメラのクレームだけじゃ、読んでてつまらなくなる。
こういう題名を付けるなら、自分が経験してなくても、取材する
なり調べるなりして、他業界のことも触れてほしい。
とくに、食品メーカーのクレームなんて知りたいよなあ。

ちなみに、オレは基本的にはクレーマーではない。
買った商品やサービスなどに不平不満があれば、自分の中の
選択肢から永遠に外すだけ。
著者は、このタイプについて、
「最も注意を要する問題であり、言い換えれば最も厳しい
クレームと言わざるを得ない」と書いている。
これは、そのとおりだと思う。
知らず知らず売り上げが落ちる、客足が減る、という現象は
商売人にとって最も恐ろしいこと。
オレは商売人じゃないけど、お客様をしっかりとみることが
商売の基本なんだなあ、と改めて感じさせられた。



2010.10.16:ycci

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