天地人

▼たまげた!

この間の日曜日の夜、NHKスペシャルを観てて
たまげた!
その題名は「スクープドキュメント “核”を求めた日本」。
今から40数年前、佐藤栄作首相の頃、中国が核を持った時、
日本は本気で核保有を考えたらしい。
もちろん、それは幻に終わるわけだが、核弾頭製造の技術
検討や、同じ敗戦国の西ドイツとの秘密協議などの
オドロくべき事実を、元外務事務次官とか要職にあった人
たちが語るんだからまさにリアル。
ある元職の「外交や戦争にはウラがある。それをわからない
国民がおかしい」との言にはアゼン…。
そういうことをテレビで平気で言ってしまう神経がおかしい、
とオレは思うんだけど…。

File No.177
『イスラエル ユダヤパワーの源泉』三井美奈(新潮新書 700円)
オススメ度★★★☆☆

先日、エルサレムに行った方から聞いた話が、どこか頭の隅に
残っていたのか、本屋で魅入られるようにこの本を買ってしまった。
読んでみると、具体的でなかなか面白い。
それもそのハズ、著者は新聞記者で、3年ほどのエルサレム駐在を
経験している。自分の目で見、耳で聞いたものだから、より具体的
なのだろう。
なぜ、人口わずか750万人の小国イスラエルが、隣国との度重なる
戦争を戦い抜き、超大国アメリカを味方につけ、比較的富裕な国
として存在感を発揮し続けているのか。
それは、アメリカを中心に世界に広がるユダヤ系社会であったり、
イスラエル・ロビーと呼ばれる強固なロビー活動だったり、
さらには、ホロコーストという恐怖に晒された経験を持つユダヤ
民族独特の危機意識だったりすることを、この本は解き明かして
くれている。
その中でも、首都エルサレムの複雑な歴史的経緯と現状は、どうも
現実的にピンとこない。ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の
三教の聖地であるエルサレムは、度重なるイスラエルとパレスチナ
の戦いに揺れてきた。イスラエルの首都だと言うのに、現に
外国の大使館がひとつも置かれていないという事実。
また、イスラエルを建国からここまでの国にした大きな原動力は、
アメリカの富裕なユダヤ(系)人からの経済的支援だと言う。
慈善事業はユダヤ人社会の伝統であり、正しく生きるための道
である。慈愛を意味するキリスト教のチャリティーとは思想が
根本的に違うらしい。
日本とも思想が全然違うかもしれないなあ~。
異文化コミュニケーションもなかなかムズカし~。
でも考えてみると、オレはこの先エルサレムに行ける機会なんて
果たしてあるんだろうか。
まずないよなあ、おそらく。
それどころか、世界の殆どを知らないまま終わっちまうんだ、嗚呼。
夢にぐらい出てこんかなあ(見たことないから夢にさえ出ん!)。

2010.10.05:ycci

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