天地人

▼おもしろコワくてたいへん

先日、ある研修会で、講師の先生が、
「人材にもいろいろありまして…」
(ナニ、それ?)
「会社のために役立っている人は『人財』」
(ふむふむ)
「ほどほどに役立っている人は『人材』、いるだけで
毒にも薬にもならない人は『人在』」
(ふ〜む、おもろいこと言うじゃん)
「そして、『人罪』というべき人もいるんですな」
(ギャー、それってキツくね?)
オレも、できれば「材」ぐらいになるよう、
がんばらんとなあ〜。

File No.119
『できる社員を潰す「タコ社長」』北村庄吾
(日経プレミアシリーズ 850円)
オススメ度★★★☆☆

ハズミに買った本だけど、コレなかなか面白かった。
各職場で発生した(発生しがちな)人事労務に関する事例
をあげて、きわめて簡潔明瞭に労働基準法などを説明している。
例えば、近年浸透してきたセクハラやパワハラ。
男性から女性へのセクハラだけと思いきや、女性上司から部下の
若い男性に対するセクハラが増えてるんだって。
男性が女性を「ちゃん」付けで呼ぶのもセクハラだとか!
おいおい、ちょっと行き過ぎなんじゃあないの、って思うけど。
職場には適度な「潤い」と「和やかさ」が必要だってことに
異論ある人は少ないんじゃないかな。
だからと言って、セクハラまがいのことを容認しているワケでは
なく、あくまでも適度に、許容範囲で、ということなので、
誤解なきよう。
この本の中で、一番ページを割いてるのがやっぱ「給料」の
問題。
「いやあ〜、こんなことあんの」ってことから、「これって、
たぶん、多くの会社であるかもな」ってことまで、いろいろな
事例が紹介されていて興味深い。
もっともムゴイなと思ったのは、第7章人事制度で紹介されて
いる事例。女性営業社員ががんばってトップの営業成績を上げ
続けているのに給料が一向に上がらず、かたや社長はベンツを
買い替え、身内の社員を優遇。ついに彼女は会社を見限り、
そして誰も(有能な人財)はいなくなった。
そして、そして、会社もなくなってしまった。
人・もの・金の三大経営資源の中で、「人」がもっとも大事
だということを象徴するような事例でもある。

この本を読んでいると、身近な具体性があって面白い。
でも、「他人事」と完全には割り切れないコワさがある。
そして、こういう労務・人事対策をしっかりやらなくてはならない
企業経営者というのは、やっぱたいへんだなあ、と思う。
直接・間接に人事や労務に関係のある人や関心のある人には
オススメの一冊だ。

2010.02.11:ycci

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