天地人

▼今世紀最大のイノベーション!?

本って、読んだ後時間が経つにつれて感動が薄れる
よね。
えっ?、それは老化現象だって?
ん〜、そうかもしれんなあ。
この本も面白くて一気呵成に読んだんだけど、
2日連続午前様では「何だっけがあ?」って感じだよなあ。

File No.113
『スマートグリッド入門』-次世代エネルギービジネス-
福井エドワード(アスキー新書 743円)
オススメ度★★☆☆☆

オバマが米大統領になってから、「グリーン・ニューディール」
とか「スマートグリッド」とか良く聞くようになったけど、
それってナニ?
そう思ってたら、たまたまテレビで、グーグルによるスマート
グリッド構想を取り上げていた。
よくわかんないけど、これはスゴイなってことぐらいはわかった。
そして、グーグルぐらいの会社になると、頭いい奴がいっぱい
集まってんだろうなあとも。
で、オレも少しはわかっとらんと話にもなんないなという
ちょっとした強迫観念でこの本を買ってきたってワケ。

最初にスマートグリッドの定義があるから紹介しよう。
直訳すると「賢い(洗練された)送電網」。
狭義では、エネルギー・テレコミュニケーション・ITの3つの
産業が融合した新たなビジネス。
広義では、需要側における住宅・自動車・家電を中心とした
省エネの取り組み、供給側における太陽光・風力・スマート
エネルギー端末などの新エネルギーの取り組みと解される。

オレがこの本を読んでイメージするスマートグリッドな生活とは…。
家には太陽光パネルと風力発電システムが設備されていて、
電力会社からの送電線には、電力のほかに情報も流れてくる。
車はもちろん電気自動車。
生活のパターンによって、使う電力エネルギーを最適にコント
ロールしていく。
それを一住宅だけでなく、ある地域一帯でやる。
例えば、オレん家がこれから3日間留守になり、電力を使わない
としたら、留守中に得られ続けるエネルギーを、地域内で
必要とする住宅や会社などに供給する。
もちろんその逆もある。
これは、オレが考えるあくまでも一局面に過ぎない。
こういうふうに書くと、そんなにたいしたことないと思うかも
知れないが、実はたいへんな経済効果を生む今世紀最大の
産業イノベーションになりつつあるらしい。
モルガンスタンレー社は、米国でのスマートグリッド関連市場
規模を、2010年2兆円、2030年10兆円と試算しており、
米国政府もこれから毎年1兆円規模の予算を投じていくとのこと。
かたや日本。
低炭素社会の実現を目指した政策が萌芽し始めているが、その
投資規模はまだまだ米国の比ではない。
それどころか、産業特性からスマートグリッド不要論まで一部には
あるようだ。
また、米国に引っ張られるように、5年後10年後に追随する
ようなことになるのだろうか。
いずれにしても夢が膨らむ話である。
大規模な実証実験をしてるという米国ニューメキシコ州に行って
この目で見てみたいなあ。でもムリかなあ。

グダグダと書いたわりには★2つとはいかに?
それは、第一に誤植と思われる部分があったこと。
(売り物である限りユルサレナイこと!)
第2に、急速にアドバンスしている世界なために、著者自身が
その全体像を充分に把握しているのかどうか、疑問に感じたこと。
あくまで個人的感想だが…。


2010.01.20:ycci

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