天地人
▼早くも夏バテ!?
ぶっくぶくも明らかなペースダウン。
早くも夏バテなのか?
いいえ、自転車のせいです。
あの、爽快な疾走感、ハマっちゃいましたねえ。
知人S氏から借りてたこの本も、ようやく昨日手にとった次第。
この本にもハマりましたあ。
ハマりやすい性格なのかな?
File No.56
『雷撃震度十九・五』池上 司(文春文庫 629円)
オススメ度★★★☆☆
映画「真夏のオリオン」の原作になった小説です。
時は太平洋戦争末期。
主な舞台はグアム島沖。
原爆を積んだ米海軍重巡洋艦インディアナポリスと
帝国海軍伊号第58潜水艦が死闘を繰り広げるストーリーです。
太平洋戦争後半の日本軍の惨敗ぶりは、目を覆い、耳を塞ぎたく
なるほど悲惨です。
そんな絶望的な戦況の中で、最末期に、日本の潜水艦が
米軍の大型艦船を撃沈したことは、まさに快挙であり、
まぎれもない史実でもあります。
そういう意味で、この小説は、半分史実をベースに書かれた
ものです。
偶然にも潜水艦に乗り込むことになる永井少将が、類まれな
戦術をもって、人間魚雷「回天」を囮に使い、
最後にインディアナポリスに魚雷をブチ込むシーンは
圧巻のクライマックス。
「太平洋戦争とは何だったのか」が生涯の命題であり、
最大の関心事としている私としては、皮膚があわ立つような
興奮を覚えました。
やはり日本人であるかぎりは、自国に誇りを持ちたい。
それは、自他を不幸にする武力というパワーではなく、
知恵と勇気、慈愛と礼節を持った国民であるということ。
なんか、久しぶりなんでカタい内容になっちゃいました。
まあ、この本は、私と同世代で、「もはや戦後ではない」時代に
生まれた作家によるものですから、迫真の深刻さと言うのは
あまり感じられません。
いわゆるエンターテインメント小説としても充分楽しめます
から、興味ある方はぜひご一読を。
2009.07.12:ycci
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