天地人

▼敬愛すべき世界の王貞治

わが国で、大臣の名を知らない人はいても、「王貞治」の名を
知らない人はあまりいないでしょう。
この不世出の野球人は、多くの感動を私たちに与えてくれ、
昨シーズンで静かにユニフォームを脱ぎました。

File No.43
『王貞治に学ぶ日本人の生き方』齋藤 孝
(NHK出版生活人新書 660円)
オススメ度★☆☆☆☆

国民栄誉賞に輝く世界一のホームランバッター。
長嶋茂雄とともにONと称され、巨人のみならず、戦後のプロ野球界
を牽引してきた選手。
ホームランを打ってもガッツポーズなどしない真のサムライ。
弱小球団を常勝軍団に育てた熱き指導者。
第1回WBC優勝監督。
……
王貞治を賞揚する例は枚挙にいとまがないほどです。
こうした選手時代・監督時代を振り返っての言動を引用しながら、
それに著者の熱い思い入れを込めながら解説をしているのが、
本書の構成です。
プロとは何なのか、指導者はどうあるべきなのか、などなど。
なかでも、
「余計な口出しはしない、思い切ってやれ、周囲の雑音はオレが
シャットアウトする」
なんて、サラリーマンだったらぜひ言われてみたい、言ってみたい
言葉ですよねえ。
でも、現実社会はそれほど甘く単純ではないんですね、これが。
だから、かえってそういう世界に憧れるのかも知れません。
まあ、本書に書かれていることは、王貞治を敬愛している人間は
多かれ少なかれみんな思い感じていることでありまして…。
(そんなこと言ったらミもフタもありませんが)
「王貞治」のことに関心があるのに、「私の場合は…」という
自己PRが多いのも、私的にはいかがなものかと…。
本筋とはあまり関係ないんですが、この著者(大学教授)は
「月の読書量が100冊を下回ったら教壇を去る」んですって!
ぶっくぶくなんか、今年に入ってまだ40数冊ですから、アタマ
の出来っつうか、違うんでしょうねえ。
でもですよ、著者は超多忙で土日は集中的に原稿の仕事で、
「以前いつ休んだかわからない」ほどなんですって!
1日平均3、4冊の本をいつ読んでいるのかしら?
そのコツを書いてくれるんだったら、ぜひ読みたいデス。
2009.05.04:ycci

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